少し前にとある塾の講師が英検の替え玉受験をし、その結果で教え子が大学受験に合格、入学したことが後でばれて講師が逮捕、という事件があった。
その後にわかった話として、この塾の講師は「塾が英検の準会場で、そこで試験監督であった立場を悪用し、生徒の解答の間違いを消しゴムで訂正(英検は多くの問題がマークシート)していた」ということが判明したらしい。
英検の受験には本会場と準会場があり、本会場というのは英検の協会が大学や専門学校などの教室を借りている会場だが、準会場というのは塾や英語教室などが認定を受けて、その教室で受験することを可能にする会場のことだ。本会場には英検協会の職員が監督としてやってくる(私も本会場で受検したことがあるので何度も見た)が、準会場ではそういいうことはないらしい。
そうすると、英検利用や英検の合格で加点を狙いたい受験生を抱える塾からしたら「この子受からせられるなら」と悪魔がささやく可能性も否定できないと思う。
当塾は準会場などにはなっていないが、知っている塾で準会場となっているところがある。そこでは受験日になると前日に、英語(アルファベット)が書かれているポスターなどの掲示物を撤去する(一時的に片付ける)など基準をしっかり守って運営している。協会との信頼関係で運営しているのだから当然と言えば当然だとは思うものの「大変だな」と思ったものだ。
余計な話はさておき、この準会場制度は見直しが必要になるのではないだろうか。上に挙げた塾のように真摯に会場運営に取り組んでいるところが99.9%だと思いたいが、今回の事件のような不正は、確かにやろうと思えばできそうな気がする。この小さいかもしれないが一つのほころびが英検に対する信頼を著しく損ねかねないと考えている。
しかもこの英検が大学受験や高校受験に利用できる機会は増えている。ここに準会場の塾での不正がしやすいという試験の脆弱性がクローズアップされると、英検利用の是非にまで話が発展しかねない問題になる。英検の公正性に疑義が生じるからだ。
特に大阪府の公立高校なんて大変だろう。英検2級に合格しているとC問題(難関校で採用する非常に難しい入試問題)での英語の得点を保証してもらえる。その保証された点数より入試本番の点数が高ければそちらの点数が使われるが、そもそもこのC問題はものすごく難しいので保証される点数を超えるのは至難の業らしい。もしかしたら大阪などだと英検の準会場になっている塾で不正してる先生がいやしないか・・・と勘繰りたくなる人もいるだろう。
英検が悪いわけではない。英検の意義は十分にある(英語の運用能力を問う)と思うし、4技能試験を入試で作れない大学が、こういった外部の検定試験を利用したいと考えることにももちろんうなずける。しかし替え玉受験はさすがに大げさでばれるリスクが高いとは思う反面、このような準会場での答案改ざんのような事例が明るみに出ると、信頼性が揺らいでしまう。
提言みたいな話をするのは柄ではないが、英検のお偉いさんへ。準会場制度は見直すべきときではないだろうか。少なくとも英検が大学や高校の受験産業に食い込んでいる現状、その受験産業に携わる塾などを準会場にするのはリスクが高すぎる気がする。それは区々たる英検の信頼だけではない。人生を左右するかもしれない進学に影響するかもしれない大事だからだ。

