神戸にある名の知れた私立の進学校が、「高校から募集を開始します(ついては受験生がいたらぜひ勧めてください)」という営業メールを塾に送ってこられた。メールの中身の通り、もともと中学からしか募集のなかった学校で、進学校としては有名な名門校だ。
私立の進学校では、中学からしか募集しない学校と高校からも募集をする学校がある。兵庫の阪神地方でいうなら、前者であれば甲陽学院や六甲学院に甲南女子など、後者であれば灘や須磨学園などがそれにあたる。
これらも毎年状況が変わっていて、例えば奈良の東大寺学園のように高校からの募集をやめてしまったところもあるし、件のメールを送ってこられた学校のように高校からの募集をこれから新たに開始するところもある。
ひとつは私立無償化があるのだろう。特に神戸市であれば、神戸高校や長田高校などの併願として、それらを目指す優秀な生徒の受け皿になれるという算段もあるのかもしれない。
ただ、この高校に文句があるわけではないが、募集の仕方が少し首をひねるようなものだった。調べてみると募集人員は10名程度。つまり欠員補充のようなものだ。この形で募集をする高校は確かにいくつかある。大阪にもある。たいていはトップから上位の進学校だ。
欠員補充というのは、中学から入学したものの様々な事情で転校(退学)したり、成績が足りずに高校へ上がることが認められなかった(放校)者の分だけ募集する形で行われる。
首尾よく合格して入学しても、欠員補充ということは当然内部進学生と同じクラスに組み込まれる。進学校の場合、数学では高1の段階で数学ⅡB(公立高校でいう2年生の範囲)の授業が始まっている。進学校と同じペースで勉強している中学生や、中学受験で別の中学に行った子が再挑戦して目指すくらいの力がないと入学段階で壊滅的に授業についていけなくなるだろう(もちろん学校だってフォローはしてくれるだろうが)。公立中学で優秀な内申点をとった成績優秀者、というだけではとてもじゃないが太刀打ちできない。
フォローするわけではないが、件のメールを送ってこられた高校の場合、数学は同じ土俵からのスタートになるようだ。カリキュラム表を見るとそう書かれている。であれば10名と言わず灘高校のように1クラス分くらい募集してもいいのでは、と余計なお世話を考えてしまった。来年からスタートするという高校からの外部募集、どんな結果になるか見守ってみたい。

