昨日に続いて、今日は高校受験を経てからの大学受験を考えていきます。



高校受験からの大学受験
高校受験を経て高校に進学すると、当たり前ですが高校内容の授業がスタートします。
昨日の中高一貫校のお話しにも書いたことですが、この時点で数学や英語では一貫の進学校に進度で1年分くらいの遅れをとった状態でスタートします。といっても後れを取っているというのは正確ではないですね。あっちが早いだけです。高校の内容を高校で勉強するのは普通のことですから。
とはいえ大学入試、とりわけ範囲が純粋に増えてしまう理系(数学)では不利になるのは間違いありません。ましてや国公立大学の理系のように国語や社会、情報までフルスペックで試験を受けなくてはいけない立場では、あくまで現役合格を主に考えた場合、3年という時間はかなり制約がきついです。
文系ならまだましと言えるかもしれませんが、文系に進む人は、えてして数学が苦手な子が多い、苦手と言うよりいずれ話題にするつもりでいますが、数学適性が低い子が多いのも事実です。そこに共通テストと二次試験で、理系ほどでないにしろ配点の多くのウェイトを数学が占めている国公立大学の試験に挑むのはかなり厳しいと言えると思います。
関関同立はじめ私立大学を目指す場合はこの限りではありません。しっかり科目を絞って勉強をコツコツ継続していけば十分狙えます。厳しい話をするのはあくまで国公立大学受験でのことです。
公立高校だって強いぞ
京阪神の主要な国立大学の合格者数を高校別にみてみましょう。データは大学通信オンラインからとりました。
実は京都大学合格者数全国ナンバーワンは大阪の北野高校(公立)です。他にも天王寺高校や膳所高校(滋賀)、市立堀川高校(京都)など、合格者数ベスト10の中に、公立高校が半分くらいあります。
大阪大学だとベスト10はすべて公立高校です。トップは公立の茨木高校(大阪)、12位に初めて私立高校(須磨学園)がきます。京都大学のランキングにはありませんが、我が兵庫県の高校もここだとベスト10に2校入っています(5位に神戸高校、8位に長田高校)し、ベスト10ではないものの13位に第2学区トップの市立西宮高校がきます。
ついでに我が兵庫県の神戸大学も見ておくと、ベスト10のうち9校が公立高校、私立は須磨学園のみで6位、過半数の6校は地元神戸市を含む兵庫県の高校で、須磨学園を除いても半数の5校は兵庫県の公立高校ですし、、第2学区ですと市立西宮高校が2位です。ちなみに京都大学や大阪大学とは違い、神戸大学のような地方国立大学の場合、各地の公立高校に合格者は散らばっています。だからトップの高校であっても合格者数はさほど多くはありません。
こういうデータを見ると、公立高校からでも国公立大は目指せるじゃないかと考えることもできます。
ちょっと待って
ただしここで考えておいた方がいいことがあります。このランクインしている公立高校の内実です。
京都大学や大阪大学のところに出てきた市立堀川や膳所といった高校はそれぞれ京都府と滋賀県のトップ公立高校です。偏差値は65を優に超え、上位コースだと70も超えてきます。大阪の北野や天王寺、茨木などは文理学科といってC問題という特別な入試問題をクリアして入学する高校です。府内には10校ありますが、おおむね偏差値は70オーバー、低くても68くらいです。
兵庫県はどうでしょう。神戸大学のランキングで名前が挙がった公立高校は各学区のトップ校、偏差値は70前後になります。1位の加古川東は第3学区のトップ、神戸や長田は第1学区のツートップ、姫路西は第4学区のトップですし、市立西宮はここ第2学区のトップです。これらの高校にそもそも入れるかどうかが重要な点です。
正直なところ、こういう高校に入っていける子は、中学受験していれば必ずトップ校とはいかなくとも、少なくとも上位の進学校には行けるくらいの学力を持っている子だと思います。ご家庭の経済状況、教育方針、地域の事情(通学圏内に私立の進学校があまりない)、お子さん本人が乗り気でないなどといった理由から中学受験をしなかったというだけのことだと思います。闘う土俵が違っただけで、同じタイプの子たちだということです。できるだけ早く受験のために最適な環境に身を置かせたい場合は中学受験する方がいいのでしょうね。これは首都圏などと関西という地域の事情の違いももしかしたらあるのかもしれませんが。
公立高校入試の壁、内申点
公立高校入試の場合、もう一つ大きな壁になるのが内申点です。内申点そのもののお話はいずれしますが、ここでは公立高校入試における内申点を中学入試との対比と言う一点でお話しします。
原則算国理社のペーパーテスト一本で合格できる中学入試と異なり、公立高校は内申点が入試の中で一定のウェイトを占めます。兵庫県は顕著で半分が内申点です。ですから上記のトップ校に入るには、単に学力が高いだけではいけません。授業態度その他、学校生活において模範的な態度と試験などの点数が両立しないと5がもらえません。しかもそれが英数国理社の5教科以外であってもです。なんなら実技4教科の方が内申点を計算する上での掛け率が高いのですから(5教科は4倍、副教科は7.5倍)。
大阪などでは事情が違うようで、大阪だと文理学科の高校などは当日点と内申点の比率が7:3になるようです。ペーパーテスト重視というわけです。とはいっても、内申点も皆さん高いはずですけどね。
学力に加え、賛否はあるでしょうが教師という目上の大人に気に入ってもらえる力を兼ね備えなければいけないのが高校受験、とりわけトップ校を目指すお子さんの受験というわけです。
中学受験をした子が内申点が取れない子、と言っているわけではありませんが、内申点が絡む勝負になる高校入試を嫌がって中学受験に向かうご家庭も少なからずいらっしゃるようで、私自身も親御さんからそういうお話を伺ったことはたくさんあります。
おわりに
こういった受験事情の中で戦って勝てる子、そしてもともとの素養が中学受験で進学校に行く子と大差がない、というわけですので、公立のトップ高校に進学する子の方が、いい意味で「大人」です。今後どこかでお話ししますが、大学受験は大人になった子が勝つ勝負です。学力だけではいけません、学力にプラスして、人間的にある程度成熟した子が勝つ勝負です。私個人はこういった状況が、上記の合格者ランキングに公立高校が多数ランクインする結果の意味するところだと思っています。
私立や国立の超トップ校が東大などの合格を占めているじゃないか、という考えもあるでしょうが、そういう学校に進学する子は成熟するタイミングが早いのだと個人的には思っています。小学生の段階、中学受験に挑む段階ですでに公立中のトップ層の子たちと同じかそれ以上に精神的に成熟している結果だと思います。
明日はこの話題の最後ということで、高校入試でいわゆるトップ校でない高校に進む場合を考えていきたいと思います。
