進学実績、数字の見方その1

大学進学

夏休みも終盤になり、もうすぐ2学期です。

特に中3生のように受験が近づいてきますと、受ける高校を決めることになります。中3のこの時期はもう、内申点その他の成績によって考えざるを得ないのですが、ここではまだ受験がこれからという中2以下のお子さんがいらっしゃる方に向けて高校選びのお話を一つしようと思います。

大学進学を前提にした高校選びという観点から、高校の進学実績について考えてみたいと思います。

市立尼崎高校の進路状況を例に

できるだけ数字をベースに説明していきたいので、おそらく塾の近辺では人気が高いであろう市立尼崎高校の進学実績を使わせてもらい、大学入試の結果や受験生の実情、そしてどういう進路を目指す子がこの高校を目指すべきか、赤裸々にお話しします。まずはこちらを。

市立尼崎高校進路状況2026年版

私立大合格者は延べ人数

まず最初に私立大学合格者数の部分ですが、合計で約950名となっています。市立尼崎高校は体育科を含めても1学年300人もいません。にもかかわらず卒業生の3倍以上の合格人数が出る、これは私立大学の合格者が延べ人数であることを示しています。

延べ人数というのは、1人が複数校あるいは同じ大学を複数回受験して合格した場合、その合格回数をすべて人数としてカウントしている、という意味です。私立大学はそれが可能です。

例えばある生徒が関西大学に2回合格、近畿大学に2回合格、大阪経済大学に1回合格したとしましょう。(補足:関西大学は5~6回くらい同じ学部を受けに行けます。近畿大学も複数の日程で受験すれば同じ回数くらい受験でき、大阪経済大学も似たような回数受験できます。)すると、この人はひとりであるにもかかわらず、関西大学2名、近畿大学2名、大阪経済大学1名の合格者にカウントされます。私は保護者の方にこの話をする場合、「分身の術」という表現を使っています。

一方で国公立大学ですが、こちらは延べ人数にはなりません、実人数です。国公立大学はひとりにつき1校しか合格できませんので、合格者数イコール実人数です。市尼の場合、国公立大学合格者20名となっていますが、これは本当に20人合格していることを意味します。

ですから、ここで関西学院大学の合格者46名となっていますが、実際に何人の生徒が合格したのかはわかりません。入学後に進路資料などで見せてくれるところもありますが、このような対外的な資料で教えてくれる高校はほとんどありません(尼崎北高校だけやってくれています)。

あくまで推計として考えるなら、合格者の半分ないし3分の1くらいが実人数と考えておくくらいでいいかもしれません。関学(46名)なら20人くらい、関西大学(56名)なら25人くらいと考えておくといいでしょう。実際もっと少ないかもしれませんが目安として。

なお、付け加えると、この合格者の中には過年度生(浪人生)も含まれています。

中身の話(合格者ナンバーワンとツー)

延べ人数の話をしたうえで、内情に少しずつ踏み込んでいきましょう。

まずは最も合格者が多い大学から見ていきましょう。追手門学院大学(115名)です。なぜここが合格者が多いか考えてみます。

まずは大学の立地です。茨木市にあるので、阪急やJRで通ってもあまり遠くはありません。JRなら(新快速や快速と普通電車への乗り換えを除けば)立花や尼崎を出発する場合、路線を変える乗り換えが不要です。

次に入試方式が多様です。総合型選抜(アサーティブ入試と呼称)に公募制推薦、一般選抜に共通テスト利用と様々です。大学HPにも大書されていますが、アサーティブ入試は中学~高1範囲までの試験と面接です(一応評定平均値の規定もあります)。しかも年内入試な上に、合格を確保するために納める入学金が割安になっていますから、とりあえず合格を確保したい人たちが大挙して受験し、合格したと推測できます。ですから、おそらくこの合格者は大半が年内入試で、1月末の一般選抜で受けた人はそこまで多くないかも、という風に推測できます。レベルという意味でもちょうどいいでしょう。

次に多いのが大阪産業大学(94名)です。ここも総合型選抜(AOと呼称、前期中期の2回が年内)、公募推薦(前期後期の2回)と年内入試の数が多いです。偏差値という意味では追手門学院大より低いので、追手門を目指す子よりも少し成績が振るわなかった人などが受験して合格を確保したのだと考える方がいいでしょう。立地は大阪府の大東市、JRであれば東西線を経由すると乗り換えはほぼありません。ただここはスポーツも盛んなので、体育科からの進学者もいるでしょう。

このようにしてみると、市尼の場合、合格者の多くは年内入試で出ているな、と見ることができます。

他の人気大学

次に他の人気大学などを見てみましょう。

まずは同じ兵庫県の甲南大学(68名)です。ここは年内入試が先に挙げた大学ほど多くありません。ですから多くの生徒さんは一般選抜ないし共通テスト利用で合格したのだと考えられます。また、このあたりの大学になると、指定校推薦で選ぶ人が多いですから、そちらでの合格者ももちろんいます。枠の数は年々変動しますが、おそらく枠が余ることはないでしょうし、評定平均値もかなり高い争いになったことと思います。

次に近畿大学です。ここは公募推薦の人気も高い大学です。追手門がメインボリュームになるレベルの場合、公募推薦で合格を確保した人はあまり多くはなかったでしょう。ですから、ここも年内入試は少なく、一般選抜で合格した人が多かったことと思います。

ちなみにこの2大学は、兵庫県立大などの公立大学の併願になりやすい大学です。また、関関同立の併願にもなりやすい大学です。ですから、このあたりになってくると関関同立や国公立大学受験生の併願合格者が入り込んできます。専願で挑んで合格できた人は果たしてどれほどいたのやら、と思ってしまいます。

いったんここまで

市立尼崎高校の進路実績を見ながら、進学実績の見方の一端をお話ししてみました。

結論めいたお話は明日にもう少し掘り下げた後で書こうと思っていますが、ここまで見てわかることは、市尼レベルの高校の場合、大学進学は大半が私立大学、年内入試利用者が多い、甲南や近大のような人気の中堅私立は専願での合格者が少なそう、というのが実情に近そうということです。

単に公立高校合格だけを目標にする塾であるなら、ここまで話す必要はありませんが、進路を含めた総合指導を掲げていく当塾では、各高校のこういった実情を踏まえて、毎日でもお子さんや保護者さんと話しながら進路を考えていきます。

明日は関関同立など他大学の数字をもう少し掘り下げ、進学実績を見るうえで考えるべきことをまとめていこうと思います。

におか塾は、尼崎市立花町の「勉強を鍛える学習塾」です。

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