「警報で学校休み」とワクワクするなかれ

日々の考えあれこれ

昨日は昼過ぎに発令された暴風警報のため、塾は休むことになった。

台風など、警報が発令されると学校は休みになる。すると、台風などが近づきそうになると「警報出るかな?休みになるかな?」とワクワクする子が多い。気持ちはわかるものの、「平和やなあ」との思いを禁じ得ない。

なぜ台風が近づくときに「警報が出る、学校が休みになる」を期待しているのかというと、それはとりもなおさず、「台風が来ても、暴風が来ても自分は安全」という意識が働くからだと思う。ところが実際に大きな台風や長く続く大雨などで、建物などが吹き飛んだり洪水で家が水浸しになったり、甚だしきは家が水没して屋根の上で救助ヘリなどを待つ映像を我々は見ているはずだ。子どもたちには、そういう映像を見た、ニュースを見た経験がないか、あったとしても、それが己が身におよぶ想像をするのは難しいのだろう。

もちろんご多分に漏れず、私も台風などが近づくと「学校が休みになるかな」と、時々刻々と変わるニュース映像、気象予報の解説と映像を見つめていた。ただ、ある時期にそれをやめた。自分自身が被害にあったからではない。家族旅行が取りやめになった経験だ。

小学生のころ、夏休みに家族で沖縄に旅行に行く計画を立てていた。飛行機に乗って那覇に行って、石垣島に行って、と考えてワクワクしながら過ごしていたのだが、あいにく出発の日に、台風が沖縄に接近した。むろん飛行機が飛べるはずもなく、旅行は中止に。私はあきらめきれずに「なんで?行きたい!」と泣いていた記憶がある。

その時を境に、台風が近づいても「学校が休みになる」などとワクワクすることはなくなった。旅行がなくなった程度、実際に被害に合われた人たちのご苦労や悲しみには比べるべくもないのだが、自分にとって都合のいい時には「台風来い、警報出ろ!」、都合が悪くなった時には「なんで台風なんか来るねん!」と思うのは馬鹿げている、と当時はそこまで言葉にできたわけではないものの、長ずるにつれて思うようになった。その後、阪神淡路大震災を経験したり、台風で停電にあって水が出なくなる(マンションでは、屋上で水を吸い上げるポンプが電動なので、停電すると水も止まる)経験をしたりしたからだろう。

「警報出ろ」とワクワクする子供たちを非難したいわけではない。被害に合われた方に対して不謹慎だ、などと道徳的な話をしたいわけでもない。彼らが大きくなるにつれ、自分の都合だけでこういった考え方をすることは減っていくんだろうな、そういう時を迎えたら「大人になったな」と言ってあげたいな、と考えたりしているだけだ。

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