定期試験前に配られる範囲表には、提出物の欄がある。この欄を含めた表の見方の話は以前書いた。

そこに、このような表記のある科目がある。
「自由課題」「提出したい人のみ」「自主学習をやった人のみ」といった記述だ。簡単に言うと任意提出、出したい人は出してください、という類の課題だ。試験前の提出物のほか、夏休みなどの長期休みの課題にもこういうものはある。
まず大事なのは、任意提出とされているものであっても、「出すのが基本」と考えること。ご丁寧に「出さなくても成績が下がることはありません」と言ってこられる場合もある。事実、今まで見たことがある子でも、こういうことを訴えていたのは聞いてきた。そして往々にして、そういう子の成績は低い。
出さなくても成績が下がらない、というのは、マイナス評価がないという意味だ。提出すれば、そしてその出来栄えがいいなら、成績にプラスに反映されるのは当然。「ゼロかプラスか」という、ずいぶん割のいい勝負ができるのだから、出さない手はない。
これだけなら、「任意提出は、なるたけ出した方がいいよ」というアドバイスで終わる話なのだが、実際のところ、伸び悩む子は任意提出課題を提出しないことがほとんどだ。それはなぜか。「やる気がないから」とモチベーションその他の問題に帰着させることもできはするけれど、実際はもう少し心配になる問題が隠されているような気がしてならない。
それは、「どっちでもいい」ならやらない、という消極的な思考にある。もしくは「言われたことを言葉通りにしか受け取れない」思考にある。言い過ぎは承知だが、これは怠惰と言ってもいいかもしれない。
色々な世界では、「人の期待を超える」「言われた以上のことをやる」ことで評価を勝ち取ったり、人より抜きんでた成績をあげる人がいる。スポーツ選手であったり、職人の世界であったり、会社員もそうだろう。指示した以上の仕事、指示した以上の成果を見せてくれた人には、上司であれ監督であれ親方であれ、目をかけたくなるのは人情だ。言われたことを言われたとおりにしかしない人との間には、越えがたい差が生じる。
コスパ、タイパという言葉が人口に膾炙した昨今だからこそ、「言われたことだけ効率よく」を超えることで、人より抜きんでたりするチャンスは転がっていると思う。
提出物の自由課題などは、これからの自分自身に対する試金石ととらえ、私は必ず「任意課題は任意じゃない」と伝えることにしている。「どっちでもいいからしなかった」と答える子には厳しくなる。

