公立中から国立大学へ、指導の在り方

勉強あれこれ

公立中学から国公立大学を目指す、というのは難しいのか。

以前このような日記を書いた。

中学受験の代替としての塾?
少し暇な時間があって、高校の進学資料に久々に目を通した。目当ては進学実績の一覧表。各高校、公立私立を問わず見回すと、いろいろな考えが浮かんでくる。そのうちの一つが「中学受験の意義」だ。私立高校の中でも、もちろんレベルに天と地の差があって、東…

この中では、タイトルに相違して中学受験→関関同立への進学を、付属校ではない進学校に通ったうえで目指すことについて考えてみた。

では、中学受験を経ず、公立中学から国公立大学(特に科目負担が大きい国立大学)への進学はどうか考えてみたい。

そもそもだが国立大学の付属校はあるものの、内部進学の制度はない。神戸大学付属に入っても神戸大学にエスカレーターで上がることはない。だから、国立大学の受験は、中学受験を経てきた子、高校受験を経てきた子、浪人生などが横一線で共通テスト、二次試験を受けて合格を争うことになる。推薦選抜などの話はここではいったん脇に置かせてほしい。

ここはあっさり言うが、明確に「中学受験生有利」だ。国立大学は多くの大学で、共通テストまたは二次試験あるいは両方で数学の試験が課される。文系理系問わずだ。保護者の方など経験がある人ならお分かりだと思うが、高校数学は中学数学と比べるとけた違いに難しい。もちろん英語など他の科目だってそうだが、数学だけは中学内容と高校内容の差が突出している。中学内容の勉強の仕方ではまったくもって歯が立たない。

そこで進学校は、中学2年生までで中学数学を終え、高校数学を中3から教え始める。1年前倒しだ。灘などの超トップ校なら中1で中学数学を終えてしまう(2年前倒し)。これで1~2年(文系なら2~3年)のアドバンテージを取り、その時間に入試を意識した演習授業を行うのが、進学校の数学の授業だ。そして、ここで大事なこと。進学校や超トップ校であっても、数学ⅠAやⅡBの習得には1年かかっているという事実だ。中学数学は早いカリキュラムで終わらせても、ここは早くカリキュラムを終えるようなことはしない。これだけでも、高校数学がいかに厳しいかわかるだろう。

では、公立中学から進学して国立大学を目指すにはどうしたらいいのか。私立校に高校から入るメリットについては以前書いた。

私立高校のメリットはさほど大きくない
無償化ということで、私立高校への進学を考えやすくなった。阪神地域は、前にも書いたが、ちょうどいい私立高校が薄く、公立高校の倍率は、多少下がったとはいえ依然高いまま。ところで、私立高校を積極的に選ぶ理由は何か、と考えると、そこには「設備がキレ…

この中でも書いたとおり、カリキュラムその他で、私立校に高校から入るメリットは、ないとまで言い切らないけれどもかなり小さい。

高校進学は、はっきり言いきるなら、公立高校でも私立高校でもどっちでもいい。ただし、国立大学を目指すうえで大事な要素については、ある程度はっきりした指標がある。

それは、高校入学後の数学の進度の速さだ。尼崎の場合だが、稲園高校のような地域トップ校は、数学の授業が他の公立高校よりかなり速い。特に理系数学(ⅢC)は、夏休みの補習なども混ぜてできる限り早く終わらせて受験準備に入るようにしている。

ただしそれが成立するには当然条件がある。ただでさえ習得難度の高い高校数学を、早回しで理解できるポテンシャルが学生には求められる。それを客観的に図る指標こそ、高校偏差値だ。ざっくり言うと、関西の場合、京都大学や大阪大学への合格者の多い高校の偏差値が、おおよそその指標になる。一般選抜で63以上が、兵庫県第2学区の目安か。各市域のトップ校の偏差値だ。当然市立西宮のようにそれを大きく超える高校ほど、合格者が多い。つまり、そのレベルの授業に耐えられる子が多く入学する、と考えることができる。

余談だが、文系の場合はこの限りではない。高2段階で数学ⅡBとベクトル(これだけ数学C)の学習は終わるからだ。有利とまではいかないが、不利にはならない。ただし、文系の子は数学が苦手な子が多い。私もそうだったが、苦手な数学の勉強は苛烈を極めるというのは経験で知っている。

これらを踏まえて、私が今考えているのが、高校受験への労力の幾分かを高校数学や英語の勉強に振り向けられる指導体制だ。全員がそうなるというのは難しいが、学習適性の高い子がもったいない思いをしないように、というのは私の中にいつもある。

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