昨日に続いて、塾のシステムと注意したいことのお話をします。

今日は個別指導塾のお話です。
個別指導塾
名前の通り、お子さん一人ひとりのペースや目標、学力などに合わせて一人の先生が一人の生徒に直接指導していく形態です。
集団指導と異なって決まったカリキュラムがなく、個別にカリキュラムを設定して教材も選定して、勉強を進めていく形で授業が進みます。
家庭教師のシステムを塾の教室内で実施できるというスタンスで流行し、塾業界の中では大きなシェアを持っています。
そのせいか中身はずいぶん多様化しました。当初は学校についていきづらい子たちが中心の補習塾が多い印象でした(特にチェーン系)が、個別に勉強を最適化できる大学受験向け、中学受験などでは大手の集団塾のフォローアップを目的とした塾などもあります。
個別指導塾のシステム
基本的にはブース型の机などで他とある程度隔離されたような環境で、1対1で指導を受けます。
授業内容も、わからない所を中心に教える解説型で進むこともあれば、個別に設定したカリキュラムで授業を組み立て、ある程度計画的に進めていくスタイルもあります。
授業ペースも個別のカリキュラムに従うので、学校についていくのが厳しい子なら学校と同じペースでフォローアップしたり、進学塾のように予習ペースでバリバリ進めていくのも可能です。
一人の講師が担当する生徒数も様々で、1対1の完全なマンツーマンもあれば、1対2(今はこれが一番多いかもしれません)、1対3~4(ひと昔前はこれが一般的でした)、1対10のような集団式の個別指導塾もあります。
授業時間は50~120分くらいのようで、80分、90分で設定する塾が多いと思います。
そしてもう一つ大きな特色は、通塾曜日や時間に自由がききやすい点です。集団指導塾はどうしても時間割が決まっていますから、習い事や部活動等で物理的に通いづらいお子さんであっても、個別指導塾なら安心です。
基本的に一人が担当する生徒数が少なく授業時間が長い塾ほど、当然ですが費用が高くなります。
個別指導の得意分野
個別指導の特性上、「どんな子にも対応できる」と思いきや、得意分野は極端に分かれます。
まずは成績が平均点以下など極端に悪い子です。学校の授業でも理解が厳しい子たちです。個人のペースに合わせてわからないところから指導できる形態は個別指導がベターです。
もう一つは集団指導塾でも持て余すほど学力が図抜けている子です。こういう子は集団指導塾の早いペースすら簡単にクリアしていきます。場合によっては中学生なら、高校内容にも踏み込んでいけるほど進んでいける子です。こういう子は既存カリキュラムにとらわれない個別指導の形の方がハマりやすいでしょう。
あるいは中学受験などで進学校の中学に進んだ子です。一般的な集団指導塾は公立中学のカリキュラムを念頭に進むため、私立の進学校の授業ペースとは全く異なります。進学校の子だけを対象にした集団指導塾(少ないけれどあります)などが近くにないなら個別指導塾を検討したほうがいいでしょう。
個別指導塾選びの注意点(成績が良くない子)
まず最初に、個別指導塾の弱点をしっかり頭に入れたほうがいいでしょう。それは勉強量の確保の難しさです。個別指導塾は授業時間が1科目90分くらい、これ自体は集団塾とも変わりがないのですが、個別指導塾はどうしても講師がつきっきりになる時間が長い分、説明に時間が割かれがちです。宿題は出してもらえるというものの、それ以上に自分で勉強する時間の確保が必要です。先に挙げた得意分野のうち、学力が抜けて高い子の場合や、私立の進学校のように学校授業のフォローがメインの場合はともかく、成績が悪い子の場合は自宅などでの勉強時間の確保がそもそも困難なことが多いでしょう。
個別指導塾に限らず、塾の授業だけで成績を上げることはできません。結局のところ必要になるのは自分で手や頭を動かして考えた量です。ここをクリアできない限り、いくらカリキュラムを組んでもらっても、レベルに合わせて教えてもらってもたいして意味はありません。
成績が低い子が個別指導塾を考える場合、教室長の先生に相談して、家で勉強できないなら自習室などの活用を図る方がいいでしょう。自習する力がない(結構います)場合は、費用が高額になるのを覚悟して授業回数(コマ数)を増やし、勉強に講師の先生が付き添ってくれる環境を作らせるくらいの心づもりが必要だと思います。
おわりに
ある程度勉強を指導する上での理想を具現化しようとしたのが個別指導塾だと思います。そしてそれが理想的に機能するなら、集団指導塾以上の効果をもたらすこともできます。ただしそれはあくまでも理想的に機能した場合です。
授業で分からないところや先取りなどをしっかり教わる。授業内容を宿題その他でしっかりと復習する。家庭でも自習室でもいいでしょう。そして授業内容をしっかりフィードバックしてもらって新しい単元や分野に乗り込んでいく。
わからないところを前の範囲に戻って指導してもらう。宿題などで一生懸命理解しにかかる。同時に学校授業にもできる限り打ち込み、追いついていけるように頑張る。
こういった理想的な体制で勉強できるなら、個別指導は最高の環境です。そしてその理想に魅かれて個別指導塾に通おうと考えられる親御さんは多いでしょう。
でも、理想通りに進むケースはまれです。普通の成績の子が、習い事やスポーツチームなどの都合で曜日が選べるから通っているパターンくらいでしょう。成績が低い子ほど自習室に行きませんし、家庭学習もおろそかです。自習の部分には費用が発生しない分、塾側も利益にならない呼びかけをしてくれるかどうかはわかりません。だから、塾に期待せずにこちらから働きかける必要があります(自習室に通うよう声掛けしてもらうよう強く依頼するなど)。でも繰り返しますが、成績が伸びない子ほど積極性とは程遠い子が多いです。
成績が悪い子の特性と、個別指導の特長が理想通りならハマるもののミスマッチが多いのが問題点です。問題点と言っていますが、個別指導塾が悪いのではありません。個別指導塾の理想と特長がぴったりはまるような働きかけを家庭ができるかにかかっているのです。集団指導塾以上に親御さんの積極性が重要になる場所と考えましょう。

