塾で成績が上がるのか?をテーマに昨日から始めていますが、今日はもう少し話を進めましょう。

塾で成績が上がるのかを考えるうえで、昨日は上記のように勉強時間や量、塾での出会いやシステム面を考えていったのですが、少しずつ掘り下げながら話を続けましょう。
塾で成績が上がらない子も多い
塾に通ってから勉強時間が増え、それに伴って量も増え、結果として点数の底上げがされるというお話を前回しました。
勉強時間が増えると、それまで足りていなかった練習量が増えます。計算問題や英語の基本の文法問題や単語など、量がものを言う科目ほど顕著でしょう。
ただそれだけなら「塾に通えば全員あがるはず」です。けれども実際に塾に通って勉強時間をとっても上がらない子がいる、というのが現実です。そしてその数は決して少なくないと思います。
そこには何があるのでしょうか。今日はそれぞれの事情を挙げ、また改めて少しずつ話を進めたいと思います。
子供の事情、勉強適性
あまりこの話をするのは好きではありませんが、勉強に適性がない人というのは一定の割合でいます。勉強の適性が低い子の場合、同学年の子と同じペースで勉強しても理解が不足してどんどんついていけなくなります。学校でも成績に顕著に表れます(平均点よりずっと低い、順位が学年下位など)。
あまりないとは思いますが、こういう子が集団指導などの塾に行っても学校以上に厳しいのでついていけません。集団指導の場合、多くは宿題等で学習時間と量を確保しにかかりますが、まず消化できないでしょう。集団指導の塾は、塾によって程度は様々ですが、授業は確実に学校より先へ進みます。これまでの内容が理解できていなくて成績が悪い子なのですから、集団指導の塾で勉強時間がいくら増えても厳しいでしょう。
では個別指導ならどうでしょう。個別指導の売りの一つは「わからなければ前に戻って指導」です。できる子の場合を除けば先取りを進めまくることもあまりないでしょう。ですから、子供のペースに合わせて指導してくれる個別指導の形態は、勉強が苦手な子にはうってつけです。けれども実際、できないところを前に戻って指導している余裕は少ないです。テストは期日が来れば否応なしにやってきます。入試もそうです。個別指導塾の場合、1科目につき週1回90分が一般的だと思いますが、集団授業の塾より短いかもしれない時間で学校の授業についていけなかった子を「前に戻って指導→追いついてテストで点が取れる」まで持ち上げるのは物理的に厳しいです。わからなければ前に戻って指導してくれるのはシステムとして素晴らしいのですが、それを実効性あるものにするなら、自習室をフル活用する、授業料が高額になることを覚悟して授業回数をたくさんとるなどの積極性が必要になります。でなければ、最終的な目標である「テストや入試までに間に合わせること」が困難になります。
学習適性が高くない子の場合、その他大勢が選択する方法で塾を選んでも成績が伸びるかどうかは厳しくなります。
親の事情、塾のシステムで判断
次に親御さんの考え方の問題です。今の時代の親御さんは塾通いが一般的になりつつある時期に中高生を過ごしたので、塾通いの経験がある人は多いと思います。
しかし、私を含めて親の世代の塾は今と全く違います。オンラインの有無やAI教材の有無などがその典型でしょう。いざ我が子が通う塾を探そうと考えると、大手塾でもなければ「システム」が嫌でも目に入ってきます。
そこで「ああ、今はこんなやり方で勉強できるのか、いいなあ」と考えるようになります。そしてある程度システムをホームページやチラシなどで調べたうえで問い合わせをし、教室長さんなどと面談をしてシステムの説明を受け、体験授業を経て入塾を決めることになります。
また最新のシステムには興味を持たなくとも、集団指導か個別指導かなどの大きなシステムの中から我が子に合いそうなシステムを判断していくこともあるでしょう。テスト対策などの細かな施策もシステムの一つと考えていいでしょう。
ここで大事なのは「システムとお子さんとの相性」です。システムの良しあしではありません。どんなシステムがあっても、それとお子さんの相性がいいかどうかは別物です。塾選びの難しいポイントなのですが、いくら親が気に入ったとしてもそのサービスを受けるのが子供だという問題があります。そしてこれは塾側の得意分野との相性の問題でもあります。
塾の事情、塾の得意分野
塾側にも得意分野があります。それは何も英語専門、理数系専門のような科目の話ではありません。大学受験専門、公立高校受験専門、私立難関校受験専門のようなターゲット層の話、あるいは各々の指導形態が得意とする生徒層の話です。
例えば集団指導なら得意分野はもともと学力が高い、勉強への適性が高い子です。こういう子がさらに高みを目指す場合には威力を発揮します。
個別指導なら得意分野は成績があまり高くない子、逆に意外かもしれませんが集団指導の塾でも物足りないくらい学力が高い子もこれにあたります。それは一人ひとりの状況に応じた指導ができるという特性がハマりやすいからです。
自立型であれば、得意分野は勉強時間を確保して成績が伸ばせるタイプの子でしょう。学習適性が元来低くないけれども学習習慣が足りない子などは、塾に来て勉強時間を増やせば伸ばせる可能性が高いです。割合として少なそうな気はしますが。
こういった塾の得意分野とお子さんとのミスマッチがあると、成績は伸ばしにくいでしょう。
おわりに
塾で成績が上がるのか、ということを考えると、お子さん、親御さん、塾、それぞれの状況や考え方が大きくかかわってきます。平たく言うと、塾選びのポイントが重要になるということです。
塾で成績が上がるのか、というテーマでのお話はいったんここで区切りとしましょう。
明日からは塾選びや、その際の考え方の間違いなど。このあたりについてもう少し考えてみましょう。

