ニュースを見ていると、「大学の年内入試に面接が必須になる」という。
年内入試というのは、私立大学入試の一般選抜が年明けの2月以降に行われることに対する表現であって、前年の12月までに入試と合否が決まる入試を指す。
この年内入試にはざっくり3種類あり、総合型選抜(旧AO入試)と学校推薦型選抜(指定校)と、学校推薦型選抜(公募制)に分かれる。ニュースで話題なのは、このうちの公募制に関する部分で、それ以外の2つは入試の中に面接や小論文などが含まれる(人物、意欲重視)が、公募制の場合は多くの大学が学力入試(文系なら英語と国語など)が行われる。ここに学校の評定などが点数として加わるなど、大学ごとに様々な配点や方式で実施されている。
文部科学省では、学力入試は2月1日以降に行うのが原則と定めているのだが、関西では、多くの中堅以下の私立大学はフライング気味に1月下旬(共通テスト以後)に実施する。多分罰則などペナルティが課されないからだろう。2月になってから一般選抜を行う原則を守っているのは、関関同立など一部の大学だ。このあたりの是正に動いていこうというのが、今回のニュースの大きな中身だろう。
年内入試の是非や、ニュースにある面接実施の是非についてはここではおくが、そもそもの話として、今大学受験生の過半は年内に合格、進学先を決める状況にあるという。共通テスト当日や国公立大学の二次試験の日には、NHKなどニュース番組で現地の中継を交えて報道されるので、こちらがメインのように感じられてしまうが、実際は少数派になっている。
過半が年内入試を選択する理由は様々だろうが、よく聞くのは、「受験勉強を年明けまでしたくないから」。早いうちに進学先を決めてしまうことで、高3生の3学期などはゆとりをもって過ごせるから、気持ちはわかる。
高校入試でも似たような状況はあって、それは私立高校の専願入試。近畿圏では私立高校の入試は統一して2月の上旬に行われる。その週の内には合格が発表されるので、バレンタインデーあたりには進学先が決まる。すると、多くの子は勉強をやめてしまう。高校入学までの2カ月弱の間だ。学力が落ちるとまでは言い過ぎかもしれないが、学習に対する意欲を減退させるには十分な期間だ。そもそも「早めに決めて『楽したい』、無償化もあるし」が動機づけになっている子が多いとみているから、さもありなんとは思う。
もちろん高校側もそれは承知していると見えて、入学が決まった子たちに課題を配布したりするなど対策は講じてくれているのだが、なかなか根本的な解決には結び付きにくいだろう。結果として、中堅以下の私立高校は無償化などの恩恵で入学者は増えているものの、進学実績は公立高校と比べてもパッとしない。
専願入試にもいろいろあって、私がそうだったが(私は、当時の公立高校入試制度の影響で私立専願)、「この高校に行きたい、ここで勉強して大学受験も目指したい」という動機で向かう人もいる。こういう人は、公立のトップ校を受験するのと同じで、前を向いたまま高校に行けるので、勉強に励む気持ちは維持できる。一方、入学後に味わったが、「公立の併願で入った」「教育大の付属などにいたが、高校に上がれなかった」など後ろ向きな状況で入学した子は、入学後も腐ったままで、入学時賢かったのに、年を追うごとに成績もコースも下がっていった。
とりとめがなくなったが、高校受験であれ、大学受験であれ、早く終わって『楽をしたい』のような動機付けで早期受験にかじを切るのは、まったくもって勧められない。もしも年内入試や専願受験などを勧めるとしたら、「熱望する学校だから」、「自分の特色を活かして受験できるから」など前向きな動機と、受験校がぴったりはまるときだけだと思っている。

