高校選びの際、私立高校には推薦枠が多いという趣旨の話を少し前の日記で書いたが、その際、「どこにも行き先がないのを回避できるメリット」と言った。
そこに補足したような話になるが、この多くなる推薦枠は、必ずしも難関の私大とは限らなくなってくるだろう、ということ。
というのも、以前に書いた話で、関学が一般選抜合格者の割合を増やす方針というニュースを引っ張った。といっても定員を増やすわけではないのだから、当然一般選抜の合格者が増える分、割を食う試験方式があるはず。付属校の定員、すなわち内部進学者数をいじることは(少なくとも急には)無理、総合型選抜はその試験の持つ意義を考えても(多様なバックボーンを持つ学生に来てほしい)簡単には定員を減らしづらい。
そうするとどこが削られるか。言うまでもなく学校推薦型(指定校推薦)の枠だ。特に関学は、あまり偏差値の高くない(40台前半のような)高校でも、数は少ないが指定校推薦の枠を置いてきた。「あれ?なんでこの高校から関学の合格者いるの?それも毎年決まった数」と思ったら、それは指定校推薦の枠の数とピタリ一致する。
関学の一般選抜回帰は、ニュースで関学の関係者が語るような建前はもちろんあれど、結局のところ、指定校推薦での入学者の学力が低い、少なくとも大学のアカデミックな環境に耐えうる学力を持っている子が少ないと判断したのだろう。
それはそうだろう。学校のワークを丸写しして答えを暗記して、全くそっくりな問題を定期試験に出すような高校あるいは先生が、偏差値のあまり高くないレベル帯には多いのだから。ずいぶん以前になるが、この手のレベルの高校の子を教えていて、数学がからっきしできないにもかかわらず、返ってきたテストの点数が90点台だった子がかつていた。「なんで?」と思わず聞いたら、「ワーク(傍用問題集)と全く同じ問題しか出なかったから」と答えが返ってきた。何度も同じ問題を繰り返していたおかげで、丸写しに近い状態でテストを乗り切ったのだ。その子は後に、関関同立のどれかへ指定校で進学した。各高校の試験の方針に文句などもちろんないし、テスト勉強の時期に繰り返し練習したその子の努力には100%の敬意を表するが、これで高い評定値を取って進学したとて、大学で何が通用するかと言われれば、私には反論できない。
関学の話ばかりになったが、この結果、偏差値のあまり高くない高校でも評定で関学へ、という道はおそらく多くが閉ざされる。さすがに私立公立の進学校や上位校、商業科などの専門学科に対する枠はある程度維持するだろうが、少なくとも下位校普通科の枠はどんどん削られていくだろう。指定校推薦で残るのは、定員充足がままならない大学が多くなる可能性がある。こういう大学への進学を、最初に書いた「行き先がなくなるリスクを回避できるメリット」と称しているのだが、果たしてそれをメリットと呼んでいいのか、私には判断がつかない。
もし今後、多少なりとも関学に追随するような大学が出てきたら…。進学に対する考え方は大きく変質を迫られるかもしれない。高校受験をメインにしている私も、高校選びならびに大学進学への意識の変革を、塾生にも保護者の方々にも伝えていかなくてはなるまい。

