これは、今受験を控える中3生に対する話ではない。これから新学年を迎える1,2年生もしくは小学生に向けた話になる。
わが子の成績がどういう意味を持つのか、という話である。
成績評定の数字に関する話は以前にした。
では、実際にわが子がとった成績が何を意味するのか考えてみたい。簡単に言うと「どんな高校に行けるか」という話だ。細かく数字を分けて内申点ボーダーのようなことを話したいわけではない。置かれている状況と取りうる手立てについて、半分絶望的観測も交えながら考えていきたい。
その前の前提の話として、今日はまず成績評定について改めて考えてみたい。特に3について考えてみたい。これについては東京都が調査をしているので参照したい。東京の公立中学校では令和6年度の場合、全教科平均して12%程度に5が、23%程度に4が、46%程度に3がついている。これはすなわち、約80%程度の生徒に3以上の成績評定がつけられていることを意味する。絶対評価のもと、成績評価が甘くなっている、あるいはそうせざるを得ない現状を意味しているといっていいのではなかろうか。
以前から3という評価は「普通」ではない、むしろ「できない」という評価であると話してきた。上位から数えて35~80%の生徒につけられる評価が3であると考えると、3の守備範囲はあまりにも広い。もう少しで4に手が届きそうな上位陣を窺える人から、下から数えたほうが早い人までカバーする数字なのだ。
あと、もう一つ大事なことを考えておきたい。この成績評価の調査には大事な前提が隠されている。それは「中学受験で私立や国立に行った子はこの調査の対象外」ということだ。何も中学受験をした子たちが全て優秀層だとまでは言わないし、そんなことはあり得ないとは言うものの、やはり中学受験を選択する層はそこそこ~相当以上に優秀な子が多い、というのは言えるだろう。そういう子たちがごっそり抜けた状況でこのような成績評定の分布になっているのだから、成績の数字に対する評価は、全ての中学生を眺めて見直した場合、さらに割引してみなければならない。
中学受験層が抜けた集団の中で、上位35~80%に与えられる評定、それが3という数字だ。今回は参照したのが東京都で、中学受験が最も盛んな地域だ。とはいえ兵庫県の場合も東京ほどではないにしろ、傾向としては似たようなものになるのではないか。灘中学校のような全国に名がとどろく学校をはじめ、近隣の大阪や奈良、京都にも有名で優秀な学校が数多い。だから中学受験は盛んな地域だ。西宮北口のような塾銀座だって存在する。
ではそんな状況でわが子の成績がオール4だったら、オール3だったら、オール3未満だったら、どういう状況が考えられるのか。
学年末試験が終わりに近づき、新学年に向けて成績というものに改めて目を向けるきっかけになりそうなことを、これからしばらく時間をかけて考え、書いていきたい。