伸びる強さ、あがく力

中学生

伸びる子と伸びない子、という言い方をすると、お決まりのパターンわけのように感じるかもしれないが、まさにその通りで、成績が伸びる子と伸びない子には大きな差がある。

ただ、今日はその差ないし違いのようなものあげつらって話したいわけではなく、指導の現場でも「いけそうな子とそうでない子」というのは、わりかし見分けがつくという話である。

それは言動に現れるし、目に現れる。「明日がテストだ、何とかしなきゃ」という目だ。言葉に表す子もいる。

ある塾生の話。先日のことだがテスト前日にひょこっと現れ、「数学がしたい」という。試験範囲から入試問題レベルの標準的なものをピックアップしてあげたが、おおむね全問正解。「ありがとうございます。数学が安心できた気がします」との言葉を残した。

彼は最後にこうも言う。「試験の日って何時に起きればいいですか?」「なんで今頃そんなん聞くねん!(彼は中3生(笑))大体人間の頭は起きてから2、3時間くらいしないとフル活動できないから、6時半くらいでいいんちゃう?それよりなにより早く寝ろよ!」「ありがとうございます」の言葉とともに彼は帰っていった。

彼の成績は悪くない。むしろいい方だと思う。だが、この日、私は彼の力の片鱗を久々に見たような気がする。ぎりぎりまで妥協できない、不安がぬぐえない、だから最後まであがこうとする。決して存在しない(と言ったら彼にはかわいそうだが)安心を求めて最後まであがこうとする。それが彼の強さだと思えてならない。

伸びない子の特徴を上げつらう必要はないだろう。上の子のような気迫のようなもの、少しでも上へ、1点でも上へ、という貪欲な目のようなものがない子だ。間際になって「公式覚えてません」のような状態を晒しても、大して気にしないような表情でいる子だ。言い方は厳しいが、すでに顔が負けている。

もちろん、元の点数やその子の能力もあるから、絶対的な数字としての点数の高い低いは問わない。ひたすらに今までの自分よりさらに大きく伸びようとする力が見えており、今回は3年生の目が、動きが優れていると感じる。

結局のところ、最初から今まで、この貪欲に伸びようとする力、意欲があるものが強いのであって、それがないものは弱い。この強さにまだ至っていない子たちには、まだしつこい種まきの日々が続きそうだ。

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