みんなで一緒に強くなろう。
何度か言ってきたことであり、これからも言い続ける私の中でのキーワードだ。
塾生にも、親御さんにも、「俺も一緒に修行して強くなるから、君たちも俺と一緒に強くなろうね」と伝えている。私が理想とする師弟関係とでも呼ぶべきものである。これは、ある落語家の話がもとになっている。
かつて、関西の爆笑王と呼ばれた落語家の桂枝雀という人がいた。のちに上方落語界初の人間国宝となった桂米朝の弟子だったのだが、ある時一人の高校生が、枝雀に弟子入りしたいと訪ねてきた。のちの桂南光である。枝雀は「まだ弟子をとれるほど偉くはない」と断ったのだが、師匠である米朝のとりなしもあって弟子入りを承諾することとなった。その時に彼に言ったとされる言葉がある。
「じゃあ一緒に落語を勉強しよう」
塾講師という立場上、勉強に関していえば小学生、中学生より勉強ができるのは当然だ。ただ、私は人生修行の一環が勉強だ、という位置づけで勉強に携わっている。人生修行の途上なのだから、一緒に人生を勉強する立場であるべきだと思っている。みんなで一緒に強くなりたいと思っている。だからこそ自分にも塾生にも厳しく接し続けたい。
ドラゴンボールで言うならば孫悟空と亀仙人や神様のような関係ではなく、孫悟飯とピッコロのような関係でいたい。自分も強くなる、弟子も強くなる。その気持ちをずっと持ち続けられる師弟関係でありたい。
もう一度言う。みんなで一緒に強くなろうぜ。