塾テキストのお話(標準テキスト)

前回に引き続き、塾テキストのお話しです。

今回は標準版テキストについてお話ししましょう。

主に準拠テキストとの対比でお話ししていきます。

標準版テキスト

前回お話しした準拠テキストと異なり、教科書の順序に関係なく単元を配列したテキストです。

中学生向けですと、新中学問題集、ウインパス、ウイニングや標準新演習などが有名です。

小学生向けですと、ピラミッドやコア、ほーぷなどがあります。

特に中学生向けテキストは問題練習量が豊富なため、私立中学では補助教材として使用している学校もあります。

以前にお話ししましたが、かつては塾教材会社の主戦場で、各社競って改良を加えたテキストを作っていました。もちろん今もそうして改良を続けていますが、現在は準拠テキストの重要度が上がってきているので、我々の世代では一般的だった標準テキストも採用率が下がっていると聞きます。

特徴

教科書の中では単元配列がバラバラな事項でも、体系的に整理されている(特に小学算数や中学英語の文法事項など)ので、勉強がしやすくなっています。一般的な実力をつける目的で使用することも可能です(特に国語)。

また、教科書本文の問題などが必要ない分、準拠テキストに比べて問題演習量が豊富なことが多いのも特徴です。特に中学数学の場合、教科書の配列がどこも同じなので準拠テキストではなく標準テキストを採用する塾は多いと思います。

総じて受験向け、実力テスト向けに教科の力を高める目的にピッタリ合いますので、進学塾や集団授業形式の塾ではよく採用されています。

レベル

準拠テキストのように「教科書」という基準がない分、レベルは様々です。

①基礎レベルの習得を目的としたもの

②一般的な公立高校受験や中堅私立高校受験レベルに照準を合わせたもの

③公立トップ校や独自問題採用校(兵庫県にはありません)、難関私国立高校受験レベルのもの

といった感じで各教材会社は教材を作成しています。

有名な教材でいいますと、フォレスタ(英語だけ準拠)やウイニングスプラウトなどが①、新中学問題集(標準編)やウインパス、標準新演習などが②、新中学問題集(発展編)や実力練成テキストなどが③に当たります。

短所

短所らしい短所はないのですが、準拠テキストと比較すると、「定期テスト対策に弱い」点が挙げられるかもしれません。特に国語や英語のように、教科書に「本文」がある教科の場合に顕著です。学校教材のワークや準拠テキストを併用して対策する必要があります。

あと、レベルに合わないテキストを使っていると宝の持ち腐れになるリスクがあります。後で詳しくお話しします。

使用のされ方

進学塾などではメインテキストとして使用されることになります。授業の中で実際に使用され、宿題や確認テストなどもこのテキストから出されることになることがほとんどです。

多くは確認問題→基本問題→練習(標準)問題→発展問題(あれば)というステップで構成されているので、授業直後の確認に確認問題や基本問題、宿題用として練習問題や発展問題を扱うことになるでしょう。

使用する際の注意

短所のところでお話ししましたが、レベル感を誤ると効果が薄くなります。準拠テキストの場合は「定期テスト」という目標があるので無駄になる部分は少ないのですが、標準テキストの場合、レベルに合わないテキストだと「いらない問題」が多くなってしまうリスクがあります。

例えば偏差値50台くらいの中堅高校を目指している生徒が難関レベルのテキストを使っても、「入試に出ない問題=必要ない問題」が多くを占めるので意味がありません。それだけならいいのですが、「宿題に出されたけど全くわからない」「塾で説明を聞いても全くわからない」といったことが続いて無力感にさいなまれる可能性もありますので注意が必要です。逆もまた然りで、難関高校を目指しているのに、使用テキストが中堅レベルだと、入試問題の大半が「テキストで扱ってない問題だ」ということになってしまいます。

レベルの見極めが大切、というのが標準テキストの注意点と言えるでしょう。

小学生向けの標準テキスト

小学生の場合、目標を定めてそれに沿ったテキストが使われるのが理想です。「標準レベルの問題を数多くこなすことを目的にしたい」、「受験はしないけど難問を考える力を付けさせたい」など、目的が明確になっている場合、それにマッチしたテキストが多いのが、標準テキストの良さです。ただ、保護者の方が思っている目標とお子さんの学力のずれが見えにくいのも小学生の特徴なので、塾の先生とよく相談し、お子さんの学力と目標にマッチしたテキストを導入してもらうのをお勧めします。

まとめ

今回は標準テキストのお話でした。

多くの塾でメインテキストとして使用されているのですが、最近の傾向としては標準レベル(中堅レベル)に的を絞ったテキストの種類が充実し、発展問題や難関校レベルのテキストが隅に追いやられているような印象を受けます。どのテキストも素晴らしいのですが、時代の流れなのかもしれません。

次回は受験用教材(高校受験用)をお話しします。

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