こんにちは。
前回、勉強に大切なものに「一般化(抽象化)」する思考を挙げました。
今回は、これを掘り下げるうえで大切な「言語能力」についてお話しします。
なぜ、勉強に言語能力が必要なのか、どうやって高めればいいのかまでをお話しできればと思います。
はじめに
言語能力にはセンスが多少なりとも影響します。
全員が全員、同じレベルで言語能力を獲得できるわけではありません。
しかし、少なくとも身近な文章が正しく読める、会話が適切にできるレベルの能力は、正しく努力すれば、成長に伴って身についてきます。
しかも、それができないと、勉強のことはさておき社会生活で不利益を被ります。
言語能力とは
様々な人や機関が定義やまとめをされているので、一概にいうのは難しいのですが、私なりの定義で、
言語を正しく理解し、使うことができる能力
という風に定義してお話を進めます。
勉強ができない人は言語能力が低い
勉強が苦手な人は、総じて言語能力が低い
これは長年お子さんを指導してきて、ほぼ確信しています。
「説明」が理解できない、「問題文や設問文」が正しく読み取れない、など、「言語」が用いられる部分に問題がある場合、総じて理解ができない、解けない、わからないという結果に終わります。
英語の新しい文法、数学の新しい公式や定理、理科や社会の用語や概念は、頭の中で言語として整理されて初めて理解ができ、問題を解く際に応用できるようになるのです。
そして、それができる人はいつどんな問題が出ても解け、できない人は毎回毎回説明してもらえないと解けない、結果テストのように説明してくれる人がいない場所では手も足も出なくなるのです。
まとめると、
言語能力が低いと、理解が困難になる
理解が困難では、勉強が難しい
言語能力が低いと、勉強が難しい
という三段論法になるわけです。
言語能力が低いと思われるお子さんに見られる特徴
お子さんの言語能力を示す特徴は、いろんな場面で顔を出します。
いくつか挙げてみましょう。
①音読が苦手
教科書や算数の文章題などを音読させてみるとわかります。
「字が読めているかどうか」は関係ありません。難しい漢字でもない限り、ほとんどのお子さんは字は読めるはずです。言語能力というのは、識字能力とは違った次元のお話です。
・音読の切れ目が不自然、あるいは棒読み
→文法的な理解、あるいは言葉のつながりを理解できていない恐れがあります。
・「てにをは」などの助詞を省略する、あるいは別の言葉に勝手に言い換えてしまう
→文章の内容をわかっているつもりで読み飛ばそうとしている可能性があります。そして悲しいことに、そういうお子さんに限ってたいていは内容をわかっていません。
②説明が苦手
これは言語の運用能力にかかわります。
問題を解いているとき(特に正解したときがいいです)に「なんでこの答えになったの(全教科)?」や「なんでこういうふうに式を立てたの(算数の文章題など)?」といった感じで聞いてみるといいでしょう。
・言葉が出てこない、出ても数字しか言えない、問題文の抜出しかできない
→感覚(あるいは勘)で「何となく」解いているだけの可能性があります。感覚で解けなくなった途端、急に点数が悪くなったりする傾向があります。理解に基づいた解答ができている場合、納得いく説明ができるはずです。
③会話が苦手
これはコミュニケーション能力がどうとかいうお話ではありません。会話において、言葉がうまく使えているかどうかの問題です。
圧倒的に多い傾向がこれです。
・会話が単語だけ(「好き」「嫌い」「めんどくさい」など、会話が文の形になっていない)
→日常的に言葉を使う習慣が乏しかった場合、このようになる傾向が強いです。そして、友人や家族との会話であれば、これでも十分にコミュニケーションが成り立つことも、この傾向に拍車をかけているように思います。
言語能力を高めるには
よく、「本を読んだ方がいい」という人がいますが、やみくもに本を読んだところで言語能力は高まりません。それに、本を読む目的を「国語力」や「言語能力」に求めるのもどうかと思います。
それよりも、会話などを通じて文の形式を身につけさせてあげてください(特に小学生)。
現代は、テレビに加えてインターネットなど映像のコンテンツが多くなり、言語よりも視覚に訴えて説明や解説を受ける場面が多くなっています。もちろんこのようなコンテンツはわかりやすくて有益なのですが、一方で、言語能力の低い人には害悪になる側面も持っています。言語を使わなくても理解できた気になってしまうという点です。
ですので、せめて自分で何かを話したりする場面では、言葉を使わせるように取り組んでみてください。
実際、親子でお話を伺う際に、「家でどんなコミュニケーションの取り方してんの?」と首を傾げたくなる場面に遭遇することがありますが、大体そういうお子さんの場合、理解力が弱い傾向にあります。
特に、中学生になってしまうと考え方の柔軟性がなくなり始めますので、可能な限り小学生のうちから取り組ませてあげてほしいと思います。
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