「その場しのぎ」厳禁

塾の授業あれこれ

その場しのぎ、という言い方があるが、昨日の授業中にこんな一幕があった。

英語の話をしていて、「先生、おじさん(親戚の)ってつづりは何?」と聞いてこられた。即座にuncleだと答えればいいのだが、ここではそうせず、「つづりを聞いてるの?じゃあ英語でなんて言うのか、それは言えるんやな。言えるけど書けないだけやな?じゃあとりあえず言ってみて。」と返事してみる。当然書けも読めもしないことは承知の上で。

そうすると、その子の口からは当然のように「いや、言えません」と返ってくる。「じゃあ初めから知らないんやから、『おじさんって英語で何?』って聞くのがホンマやろ。答えだけ書ければいいと思うからつづりだけ聞いたんちゃうんかい!」と言っておいたうえで「アンクル、uncleや」と教える。

その後少したって、答え合わせがてらできた英文(答えを穴埋めしてできた英文)を読ませてみる。すると、uncleが読めない。ウィンクルとかなんとか、よくわからない英語が返ってくる。すかさずお小言が飛ぶ。

「わからなくて聞いた言葉なら忘れるな。お前が『おじさんは英語で何?』って聞いてきたんは何が目的や。英語のuncleを『知りたかった』からとちゃうやろ。問題を『解きたかった』からやろ。そういうのをその場しのぎっていうんや。その場だけとりあえず何とかしようって考えるから5分前に聞いたことでも覚えてないねん。目の前の問題が書けたらどうでもよくなるんや。その場しのぎみたいな考え方してたら何もできるようにはならんわ。」

ここは考え方の問題だが、目の前のことだけがすべてになってしまう子は少なからずいる。だから私は、殊更にこの子をダメな子だと思って難じようなどとはかけても思わない。とはいえ、目の前のことさえ解決できればいい、という風潮自体は問題だと思っている。昨今話題の生成AIしかり、その前からある「わからなければ検索すればいいじゃん」という考え方しかり。

生成AIであっても、ネットなどの検索情報でもなんでもいいのだが、使い方次第だ。「馬鹿と鋏は使いよう」というが、できる子は有効に活用して、それこそ効率よく知識を増やして知性を高める方向にもっていける。そんなものがなかった私たちの時代からすればうらやましい限り。

一方で、目の前のことだけできればそれでいい、という考え方でこれらを使う人たちは、知識が積もっていかない。偽の情報に出会っても疑うすべも持てまい。調べる、聞く、使う前段階にある「考える」というフェーズがすっ飛んでいるからだ。同じデバイス、同じツールを持っていても、かくのごとき格差が両者には生じる。

できるなら、そういう考えない大人にならないようにと思い、声をかけ続けたい。そして、結局そういう考え(目の前の課題しか考えない)から抜け出せた方が成績は上がるものだ。

におか塾は、尼崎市立花町の「勉強を鍛える学習塾」です。

お問い合わせはこちらまで

タイトルとURLをコピーしました