伸び悩む時期というのは誰にでもあるもので、ほとんどの人には遅かれ早かれやってくる。
私の場合は高校だったが、とにかく理科と数学がだめだった。いくら考えても解けず、いくら聞いてもわからず、悶々とした時期を過ごしたし、恥ずかしい話だが数学で赤点をとったことも一度だけだがあった。
この時期の勉強はひたすら苦痛で、もはや右利きの人が左手で字を書く練習をするような、脳みその中がむずむずしていらだつような時間を過ごしていた。
ただ、あの時期があった中でも、たった一つの心構えが私を救ってくれたと思っている。
それは「腐らないこと」だった。何とかしなくては、と最後の最後まであがき続けた。その結果については以前にも日記にしたことがあるが、何とか大学には滑り込めた。
これは塾生含めた中学、高校生皆に言えることではないかと思っている。中学の段階で成績や点数が伸び悩む時期、落ちてしまう時期はあるだろう。特に2学期はそんな時期になりやすい。そこで、「どうせ頑張ってもしょうがないし」といった無力感や、「こんな点数やし、もういいや」というような諦念のような気持ちに支配されてしまえばそこで終わりだ。
とはいえ、苦しい時期を乗り越えるのは、並大抵の努力ではかなわない。なにせ、理解できなかったことを理解しなくてはいけないのだ。今まで使ったこともないような頭の回路まで働かせなくてはいけない。頭はむずむずするし、いらいらする。もうやめたい、と思うことなど2度や3度ではきかないだろう。私もそうだった。それでもなお、大きな点数アップにはならないことだってあるから、成果が目に見えにくい分、モチベーションを保ちにくい側面もある。これらが相まって、努力のハードルはどうしても上がる。
それでもその高いハードルを越える気持ちさえ消えなければ、結果は必ず出る。それが試されるのが、今という時間だと思う。
先日、ある塾生と話したが、その子はこう言った。
「頑張ればやれると思ってる」
きっとこの子は必ず勝てる。誰に?もちろん自分自身にだ。


