2学期最初の授業。とはいえ学校は始まったばかりで、課題テストや係決めなど、まともな授業はまだ少し先の話。
そこで昨日は久々に学校復習の前段階に、夏休みに軽く予習した部分の問題を解かせるところからスタート。ある塾生がウンウン頭をひねっている。よく見ると、途中式がめちゃくちゃ。そこで私から一言。「前に書いた説明の式見てみ」。ところがよく見ると、私の板書をしっかり写していない。解く途中の日本語の説明部分がすっかり飛ばされ、式だけ書き並べたページをみて、久々のカミナリが落ちる。
「なんで俺が説明の時に、途中の日本語書いてるかわかるか?解き方の説明のためとちがうぞ。考えを整理して答案にするためや。そこをすっ飛ばして、式だけ、計算だけ書けばいいと思っているから忘れてしまってるんや。考え方も出てこないんや。問題が難しいからじゃない。考えが甘いからや。例えば空手を習っていて、突きの出し方や蹴りの出し方を教えてもらってるときに、『殴ればいい、蹴ればいい』とだけ思って聞いてるんと同じや。」
返す刀で他の塾生にも告げる。
「夏休み前に言ったことを覚えてるか?勉強するっていうのは、問題を解くことじゃない。先生が言ったことをわかろうとすることや。そのために必要なことは、先生がちゃんと教えてくれている。それを整理して自分のものにして、そして問題が解けるようになる。ここまでやって勉強や。もっと言うなら、勉強も受験も大人になったものが勝つ。勉強はそもそも楽しいものじゃない。それを使って、苦しいことに耐える力、嫌なことでも『まあしゃあないか』とある程度は受け入れて取り組める人間が大人や。そこがわかっていない奴は、成績や点数が良くても『大馬鹿野郎』や。」
のっけからフルスロットルで発進してしまったが、この2学期は全員の目を変えたい。厳しい言葉を投げつけながら、彼ら彼女らの先を信じて、修行の時は始まる。