アレクサンドラ構文というものを仄聞した。なんでも文章読解に関する問題だそうで、機能的非識字とかいうなんとも難しそうな課題が浮き上がるそうだ。文そのものの難解さがあるので、小学生には出しづらい問題である。
試みに転載してみたい。
<Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。>
問:この文脈において、『Alexandraの愛称は( )である』の空欄に当てはまる最も適当なものを、(1)Alex、(2)Alexander、(3)男性、(4)女性の中から選べ。
なんでも記事によるとこの問題を解かせたところ、中学生の正答率は38%で、進学校の高校生でも65%だったそうだ。ちなみに正解は(1)である。
昨日塾内で生徒たちに試みに聞いてみたところ、正答率は66.7%、ちょうど3分の2だった。まだ全員に聞いたわけではないので最終的な正答率はわからないのだが、今の時点でのこの正答率を優秀と見るべきかは何ともコメントしづらい。
間違えた生徒たちの様子を見ていると、ある共通点が浮かび上がる。「近くにあるものから答えを探そうとしている」点だ。
問題にはAlexandra、愛称とあるので、その近くにある言葉、例えばAlexanderや女性といった言葉に反応して、これが答えだと考えてしまうのだろう。そこには文全体を通じた論理関係の読み解きが全くなされていない。
論理関係が見えていれば、「Alexは」「女性の名Alexandraの愛称である」という主述関係がわかるはずだ。英語が入っていたりするので若干わかりづらさがあるのはイジワルだが、あとは問題の文中にある「Alexandraの愛称は」「( )である」から、この主述関係を逆転させれば、答えはAlexだとわかるはずだ。
問題の解説がしたいわけではない。この程度の文から論理関係が読み解けない子が多い現状をどうしていけばいいか。授業という形でしか関われない立場ではあれど、考えていかねばならない。