小学生の塾生にしたことがある話だが、字の意味を考えることは大変大事だと思う。字なんて見れば意味は分かります、と言う人はとても優秀でよいと思うのだが、多くの子は意味まで考えて字を見ることは少なかろうと案じられる。
これは主として漢字の話なのだが、漢字は全て意味を持っている。ひらがなやカタカナの1文字には意味はない。胃や気のように感じに置き換えて初めて意味は通じる。
多くの子たちは、「漢字テストがありますよ」と言われれば、漢字を書き、読みを覚えるであろうが、それでは漢字を使うには厳しい。同音異字になればたちまちアウト。例えば、「短いキカンの滞在」と言われれば、皆さんは「期間」と書けるだろうが、読みと書き方しか覚えない子であれば、器官とでも機関とでも気管とでも書いてしまうのが、「意味まで考えて覚えない」特徴だろう。
ではどうやって意味を知ればいいのか。最も確実な方法は漢和辞典を引くこと。漢和辞典は英和辞典と同じで、字の意味を書いてくれている。でもいろいろな字の意味をいちいち漢和辞典で引くのはちょっとなあ、と思う人も多いだろう。もう一つは「訓読み」を考える方法だ。訓読みと言うのは、中国から伝わった漢字を、日本人が自分たちの言葉に当てはめて作り出した読み方だからだ。だからおおむね、訓読みはその字の意味を伝えてくれる。
小学生の間がいい機会かもしれない。書き取りや読み方の練習も結構だが、時間のあるうちに字そのものの意味を考えり機会を持たせてみるのもいいのではなかろうか。