毎日コツコツ。
強さを身に着けるために、遅ればせながら私も意識的に実践したいと試みている。
この「毎日」というのはなかなかの曲者で、なかなか実践できない。
なぜか。
同じことを繰り返すにはエネルギーが必要だからだ。同じことが続くと刺激が薄れるので、続けていくのがだんだんおっくうになる。それをはねのけるのが、「エネルギー」だと思う。
世間的には、いろいろなことにチャレンジしている人がエネルギッシュに映るかもしれないが、実際のところ、そういうことをするのは、逆に活力がない人だと見ている。毎日同じことを繰り返すのに耐えられないから、次から次へと新しいことに手を出し、結局何もかも中途半端に終わるのがおちだ。
この「毎日」という試みは、私の提唱する「強さ」の一丁目一番地だと思っている。
心構えの第一は「自分の弱さを受け入れ、それを克服する」ことにあり、行動の第一は「毎日コツコツ同じことを続けてやる」ことにある。
何も勉強に関してだけそれをしろ、と言っているのではない。毎日「決まったこと」をするのだ。それは家の手伝いでもいいし、腕立て腹筋のようなトレーニングでもいい。私のような日記をつけることでもいい。
それはきっと、生活に「活力」を与える。今日も「毎日」を実践できたという実感を、充実感を得られる。自分の進歩、成長を実感できる。ひいては自分の強さにつながる。
わが子にどうやって「毎日コツコツ」をさせればいいのか、と親ならば思うだろう。考えるだろう。
ただ少し待ってほしい。
これも私がよく言うことだが、他人に何かの道を歩かせることはできない。わが子であってもわが子の課題は他人の課題であって、自分の課題ではないことを知らなければいけない。これは塾の先生である私ですらそう考えて行動している。生徒に無理やり道を歩かせることはできないし、してはならないと考えている。
ただ、もしも歩くきっかけだけでも与えたいなら、方法は一つだろう。
わが子があこがれるような姿を見せることだ。わが子に「パパは(あるいはママは)毎日コツコツ取り組んでいるのだ」と、背中で見せるのだ。
それでもわが子が何も思ってくれなければ。
その時はあきらめよう。それはわが子の人生をあきらめよう、と言っているのではない。「自分の力でわが子を何とかしよう」という間違った考えをあきらめよう。待つ以外に手はない。