仕事柄、塾関係のホームページやニュースなどをやたらと見るせいか、ネット広告に塾関係のCMがバナーでも動画でもどんどん入ってくる。
こんなCMを見ているとき、いつも考える。
「これを見ている保護者の皆さんはどんなふうに塾を探すんだろうか。」
開業した今ではあまり聞かないが、以前に勤務したことのある塾(いくつかある)で、お問い合わせをいただく時、面談でよくこんなお話を聞いた。
「この子に合った塾を探している」「やる気を出させてくれる塾に行かせたい」「うちの子に合わせてくれる塾だから気に入りました」などのご希望や体験授業のご感想だ。
若いころは「そうですよね~、よかったです」などと言いながらお話を伺っていたが、当時から違和感はあった。当時はそれが何かは言葉にできなかった。
今ではしっかり言葉にできる。
「わが子に合わせてもらう」「他人に何とかしてもらう」という発想がおかしいのだ。
こんなことを言うと、「それって塾の仕事でしょ?」と思われるかもしれない。
ただ一方で、これもまた真理なのだ。
成績を上げるためには、成績を上げる人間のやり方に合わせなければいけない。
志望校へ行きたければ、その志望校に行ける人間のやり方に合わせなければいけない。
そのためには、「塾に合わせてもらう」は「塾に合わせに行く」に変わらなくてはいけない。
「他人に何とかしてもらう」のではなく、「自分が何とかしに行く」にならなくてはいけない。
その意気がある子にのみ、塾など外部の指導者の指導は効果を発揮する。
はっきり言う。
親子そろって他人任せな場合、伸ばせる塾はない。