前回のお話では、「退塾の基準」と題してお話をしましたが、それを受けて当塾のスタンスについてお話ししていこうと思います。
勉強小屋
簡単に言ってしまうと勉強小屋です。
時間割を設け、グループ指導等も行いますが、基本的には「勉強の面倒を見るオッサンがいる勉強小屋」というのが、当塾の立ち位置であると考えています。
バカ話も多いですし、異なる学年が集まることも多いため、学年をまたいだお話が展開されることもあります。
中1の英語の話をしているときに、不意に中3生に質問が飛ぶこともありますし、できないと大笑いされることも多々あります。逆に中2の授業中に中1に質問が飛び、見事に答えられると「すごいなお前!」となる場面もあります。
勉強、とりわけテストの点数や入試のための勉強は、往々にしてつまらない、苦痛なものですから、せめて当塾では楽しく一緒に勉強しようよ、というのがコンセプトの一つではあります。
友達以上家族未満
また、当塾はコンパクトな空間であることと、私の性格上、お子さんとの距離をぐっと詰めて指導しています。教室が狭いだけなんですけど。
この状態を、私は個人的に「友達以上家族未満」と位置付けています。
言い換えるなら、私はお子さんにとって「親戚のおっちゃん」でありたいと思っています。
成長を喜び、一方で家族のように必要以上の領域には踏み込まない。そんな微妙なスタンスを維持したいと思っています。
楽しいだけではありません
ただし、当たり前ですが、楽しいだけでいけるほど、勉強は甘くありません。
基本的に勉強ができないことや問題が解けないことを理由に叱責することはありませんが、何度も同じことを指摘されたり、何度指摘しても改善が見られない時はかなり強く叱責することがあります。
これは勉強の厳しさを伝えるためだけではありません。
絶えず自分の取り組むべき課題(点数や苦手科目など)に対して真摯である必要を伝えるためです。
また、友達以上家族未満だからといって、必要以上の甘えを許容はしないという意思の表れでもあります。
楽しい=楽ではありません。
勉強小屋を作るために
楽しく一緒に勉強できる、楽しく一緒に成長できる(講師である私も含めて)勉強小屋。
これを作り上げ、維持するためには大切な条件があります。
お子さん皆さんが「勉強するために来ている」という意識で集まってくださることです。
そういう意識のお子さんが集まっているからこそ、楽しい空間を作っても、肝心の勉強をおろそかにしない塾内の空気が醸成されるのです。
一瞬で緩む可能性を秘めた危うい、だからこそ理想的な空間だと思います。
だからこそ、「気軽に休める」「ちょっとくらい遅れたっていい」「決まりなんて守らなくていい」などという意識のお子さんが一人でも混じっていると、途端に塾の空気は崩壊します。そのような可能性を感じたら、一瞬で厳しい態度に変わります。今回のように退塾いただくことも普通にあります。
これだけだと脅しているように聞こえてしまうかもしれませんが、私はこれこそが塾だと思います。
いろいろな生徒や先生がいる中で、それらを半ばは受け入れ、半ばは心の中では拒絶しながら学ぶことは、多様性の観点からも大切ですが、それは学校ですることです。
塾は違います。勉強するという一点で、全員の目標が一致している空間ですから。あとは各々の塾さんがそれぞれのカラーで空間を作り上げていくものだと思います。
改めて当塾の今
「楽しい」「変幻自在」「(ある種)不思議な空間」
やるときは静謐な空間にペンと紙の音しか聞こえない。
一方で教室中が大爆笑に包まれる瞬間もある。
時として私の怒号が響くこともある。
赤っ恥をかく時もあれば、思い切りほめられることもある。
周りの生徒から「すげえ!」という目で見られることもある。
塾長の私が笑われる瞬間も多々ある。
毎日がこんな感じであるのが、当塾の空間です。
そして、こんな雰囲気の当塾が存在できているのは、改めて「意識をしっかり持ったお子さんとそのご家族」がいらっしゃってくださるために他なりません。
本当に、何物にも代えがたい、ありがたいことだと深謝しています。