凡事徹底の難しさ、信じて貫く心

日々の考えあれこれ

プロ野球の日本シリーズが終わった。われらが阪神タイガースは残念ながら1勝4敗で日本一は逃す結果となったが、まずは1年間の活躍に拍手を送りたい気持ちでいる。

藤川監督は「凡事徹底」を繰り返し、それを体現する今シーズンであったが、やはり大舞台の短期決戦の恐ろしさか、「なぜ普段しないことをする?」という場面が続き、それが悉く失敗しての敗戦だったように思っている。

むろん私は野球の評論家でもないし、個々の試合や選手のプレー内容に関する論評などするつもりはない。私が強調したいのは、凡事徹底は難しいという一点にある。殊に大事な場面になった時ほど難しいという点にある。

日本シリーズというのは、言うなれば入試だ。普段とは全く異なる雰囲気、合格不合格が決まるという大勝負、定期テストのような何度もある、普段の雰囲気でできるテストとは何もかもが異なる環境だ。

高校入試でも大学入試でも、入試という場面でしっかり結果を出せる人間というのは、入試の中であっても、普段通りの力が出せる人間である。そしてそれこそ、私が平生から取り上げる「強さ」の現れであると言って良い。

入試になると、急にやり方を変えてしまう子が少なからずいる。過去に指導したことがある大学受験生でもそうだった。受験したその日の夜に塾で会い、「普段通りに〇〇のやり方できた?」と聞くと「しませんでした」と答える。「なんで普段やってるやり方でやらんかったん?それで過去問でも正解率高くなってきたやんか、そうなるように練習をずっとしてきたのに」というと、涙目で「すみません」と答える。私に謝っても何もならないのだが。私立大学の入試ということで受験チャンスが何度もあったので、結局その子は次の日以降の入試で自分を取り戻し、希望の大学に合格した。

当たり前のことを当たり前にするのは本当に難しい。言い訳のように聞こえるが、先ほどの話に出した子も、本当にまじめなとても良い子なのだ。それでも本番でいつも通りのことをするのは難しい、ということである。

ではどうすればいいのか。凡事徹底を貫く姿勢はもちろん大事だが、その奥にある、「これを続けていれば大丈夫」と信じる心、大げさに言えば信仰と言ってもいいかもしれない。それを信じて続けることを毎日繰り返すことだ。その心を普段から持ち続けて、勉強でもなんでも当たらなければ本番で結果を出すことは難しい。

改めて私も勉強させてもらえたという点で、今年の阪神タイガースには感謝を伝えたい。

におか塾は、尼崎市立花町の「勉強を鍛える学習塾」です。

お問い合わせはこちらまで

タイトルとURLをコピーしました