2学期に入り、受験を控える中3生などでは、受験に向けたまとめ教材のようなものを書店で探す機会も増えるだろう。昨日、午前中に書店に行ったのだが、お母さんと思しき女性が一生懸命中学生用の参考書コーナーでいろんな本を読んで比べて、手に取ってレジへ向かう様子を見た。
この時期、まとめ教材(中学英語3年間のまとめ(仮名)のようなもの)を探すうえで気を付けるべきは、レベル感を間違えないこと。ハイレベルな教材を買っても、難関私立を受けるというならともかく、公立高校受験であればオーバースペックだし、そもそも我が子の成績、塾などで模試を受けているなら偏差値、志望校などを総合的に勘案して教材は選ぶべきだ。
当日500点満点のテストであっても、400点くらい必要になる上位校もあれば、300点なくても合格できる高校まで、レベルは様々だ。その中で、我が子であれば何点くらい必要か、そのために何を一生懸命取り組むのがいいのかは、よく見極めるべきだと思う。
そこで余計なお世話として。塾に通っているのであれば、先生が子供の志望校やレベルはよくわかっているはずだから、塾の先生にまずは相談すること。場合によっては、「塾用のまとめ教材を用意しているから、書店で買う必要はありません」などと買わないように言ってくれるところもあると思う。買うにしても、難関校に特化した教材を進めてくれる塾もあるかもしれないし、いろいろアドバイスしてくれるはずだ。
最もまずいのは、塾側とすり合わせもせずに、焦燥感などから親が勝手に買い与えてしまうパターン。以前、といっても独立する前の話だが、自習に来た子が今まで見たこともない問題集を持っているのを見て、尋ねてみると、「お母さんがこれもやりなさいって」と話していたのを聞いた。あわててお母さんと面談をセッティングし、書店で問題集を買う際の話を詰めたことがある。幸い、焦燥感から「あれさせなくちゃ」「これもしたほうが」とご本人(母親)が認めてくださったので、適切なアドバイスができたのだが。塾のテキストに加えて市販の本までやろうとすると、子供の負担が増大するだけで、あまりいい効果は生まないことが多い。
もしも保護者の方でこういう心理状況、我が子の状態を過剰に心配して、「あれも買ったほうが、これも買ったほうが」という状況になったなら、まずは書店に行く前に、あるいは書店に行っても最初は立ち読み程度で済ませておいて、改めて塾の先生に相談したほうがいい。
では塾へ通っていない場合、あるいは通っていても塾で習っていない教科の場合どうするか。大事なのは子供と一緒に買いに行くこと。個別にこの教材はどう、というようなことは言えないが、レベルを一緒に確認して、可能な限りレベルより半歩ほど上、ある程度はスラスラとけそうだが、難しい問題で多少のストレスがかかる程度の難易度の本を、難しいけれども見極めて一緒に選んでほしい。もっとも悪手なのは、親が勝手に買い与えること。次にダメなのは中身を見ずにタイトルだけで選ぶことだ。タイトルで買っても間違わないのは過去問くらいだと思ったほうがいい。
塾ではこれから、塾生たち(特に中3生)に向けて、教材を買ったほうがいいか、買うなら何がいいかを具体的に話していく機会が増えてくる。いい教材があれば、いい形で塾生にめぐり合わせてあげたい。