阪神タイガースが2年ぶりに優勝した。長年の阪神ファンとしては、うれしいこと限りない日曜となった。
今年は藤川球児新監督のもとでの優勝だったが、優勝特番で彼がインタビューに答えていた。
これからの試合やクライマックスシリーズなどについて問われた際に、「これからも一つの試合、一つのアウト、一つのストライク、ボールにこだわっていけば、結果はどうあれ、ね」といった感じで受け答えしていたのだが、改めて「藤川はまじめだなあ」と思う。テレビで見る野球解説者の時からそんな雰囲気だったが、監督として、さらには贔屓の球団の監督としてみれば、なおさらその感想が強くなる。
そういえば、今年の阪神は、投手陣がどうだとか色々分析される点はあろうが、素人ではあるが私の目から見ると、とにかく「細かい、緻密な」野球ができていたように思う。今年の、あるいは2年前からの阪神の強さの源泉は、この一つ一つに細かくこだわる姿勢にあったといっていいのではなかろうか。
野球で言えば、ひとつのアウト、ストライク、ボールという言い方になろうが、これは勉強でも言える話だ。一つの単元、一つの問題、一つの解いていくうえでの過程にこだわることは極めて大事だといわざるを得ない。この一つ一つをおろそかにしない態度が貫けていれば、テスト等でも大きな失敗はしないだろう。
芸能界でも職人の世界でも、経営の世界でもサラリーマンの世界であってもなんでもそうだと思う。成功している人ほど、成功の結果としての裕福な暮らしぶりや派手な一面などに目がいきがちだが、彼ら彼女らは皆そろって、地道な毎日を大切にしている。そういう部分がすっ飛んだまま成功する人も希にはいるが、たいてい一発屋になって表舞台から消えたり、勢いに乗って無理をして会社をつぶしたりする。
阪神の優勝のうれしさとともに、改めてこの地道な考えを大切にしたいと思う日曜であった。