他人の助言に自分が気付くとき

中学生

土曜日の一幕。ある塾生に社会の問題集をどんなものにしていこうかと話していたときだ。

彼の一言。「何度か解きなおして、『完璧にできた』と言えるようにしてから次に進めるようにしたい。だから新しい問題を大量にやるよりも、入試レベルの同じ問題が何度も練習できるものがいいです。」

解きなおし学習の意義は、私なぞが今更ことさらに言うまでもなく大切なこと。この日の驚き(プラス嬉しさ)は、塾生本人がそのことに気が付いているといいうこと。

彼は社会がなかなか高得点にならないのが欠点で、本人もそれをよく自覚している。彼が努力家なのは私もよくわかっているので、おそらく彼なりの試行錯誤はこれまで繰り返してきたのだろうと推察する。以前から私も、本人にもほかの塾生にも、「解きなおしの意義」は伝えてきた。最初は受け入れられない部分も多々あったろうに、最終的に彼自身がその結論にたどり着けたのだから大したものだ。

かねてから私が言う、勉強で「強くなる」というのは、こういうことでもあるのだ。つまり、勉強を繰り返すうちに、自分がどういうことが苦手なのか、あるいは自分がどういうタイプの人間なのかさえもわかるようになる。他人からされるアドバイスを、はじめのうちは「うっとうしいなあ」と思いながら聞いていることもあるかもしれないが、いつしか自分と向き合ううちに、進んでかしぶしぶかはともかく、アドバイスの内容を自分で受け入れ、取り入れられるようにもなる。自分の弱さや、他人にのぞかれた自分の弱点を自覚して受け入れるとは、想像以上にストレスがかかる。プライドの部分を克服せねばならないからだ。それだけ大変なことだからこそ、受け入れ、変化していけるようになったときにその子のレベルは飛躍的にアップするのだ。

夏休みもあと1週間を切った。きっと彼には飛躍の2学期が待っていると信じたい。

におか塾は、尼崎市立花町の「勉強を鍛える学習塾」です。

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