2日間にわたって、高校受験にまつわることを考えてきた。
では、高校受験はこれからどう考えればいいのか、ということになるのだが、大事なことは、高校をどう位置付けるかにある。たまに中学生に話すのだが、高校はあくまでも通過点でしかない。人生における大切なターニングポイントは、あくまで高校に進学した場合のみを考えると、「高校を卒業したとき」だと思っている。進学するのか就職するのか、はたまた違う道を歩むのかは関係なく、社会における自分の立ち位置が決まるからだ。では高校受験とは何かというと、高校に行くことに人生をかける価値があるのではなく、「どういう通過地点を選ぶのか」が高校受験なのだということである。
無償化云々のメリットは、その通過地点の選択肢が多少増える程度のことだ。私立の方が教育環境が云々ではなく、単に頑張らなくても行ける高校が増える程度でしかない。
結局のところ、時代や制度がどう移ろおうが、何を考えて人生なり勉強なりスポーツなりに打ち込めるかを考えるだけのことでしかないはずだ。
プロ選手になりたい、オリンピックに出たいから、有名選手が多く出ている大学に行きたい、その大学に行くために、強豪高校に行きたい、そのために小学生中学生のうちに、と考えるのと同じことで、勉強であってもなんであっても、「ゴール」を本人にいかに意識させるかにかかっている。
そして残念なことだが、これは外野の大人には無理。もし子供たちに、「お父さんお母さんのおかげで」「塾の先生のおかげで」というようなことが人生で起こったとしても、それは大人たちがたくんでそうなったのではなく、偶然あるいは本人の資質に過ぎない。他人にはどうにかできるものではない。
でもそれでも、もしかしたら偶然でもいいから引っかかってくれるかもしれないとの気持ちだけは忘れず、私も塾生に向かい合いたいし、親御さんにもそう思っていただきたい。