夏休みまであと1週間を切った。
夏休みというと学校から出る「夏休みの宿題」が風物詩の一つと言っていいと思うのだが、この夏休みの宿題のやり方について少し考察してみたい。
よく「夏休みの宿題は7月で終わらせる」という人がいる。自由研究などの時間がかかるもの以外(5教科のワーク類など)についてのことだが、私個人はあまりいいやり方だと思っていない。特に今の中学生は事前に宿題が配られてしまうことが多いため、よりこの傾向に拍車がかかっているように思う。
まず第一に、早く「終わらせる」という感覚がよくない。宿題は作業ではないのだ。宿題には(夏休みのものに限らず)意義がある。本当はその意義をもっとよく学校その他で伝える必要があるのかもしれないが、今のままでは意義を果たすどころか徒労を強いているようにしか感じてもらえないような気がしてならない。
次に、8月は遊ぶつもりという前提が見え隠れしている点。私のような吹けば飛ぶよな個人塾の人間が言うまでもないことだが、勉強の本質は継続にある。1か月まるまる遊ぶ前提で臨んでいると、大半の知識は抜け落ちる。先に挙げた宿題という作業の「徒労感」も相まって、宿題が勉強に対して逆効果しか生まないような気がしてならない。
では、私は塾生に対して夏休みの宿題にどうあたるべきとしているか。ここまでの話をひっくり返すようであるが、塾生には「終わらせたければさっさと終わらせればいい」としている。それはなぜか。
塾生は当塾で勉強するからだ。夏休みも1日3時間、人によってはそれ以上勉強してもらう。中3生なら週5日、他の学年でも週3日以上だ。勉強はどのみち塾で行うので、「宿題がある」という心理的な圧力とでも呼ぶべきものから遠ざけておいてもいいのではないかと思っているからだ。
何が言いたいのか。塾など、自分で勉強する予定や気持ちがあるのなら、宿題はさっさと終わらせた方がよろしかろう。単に作業を終わらせて遊ぶ時間をたくさんとりたいだけなのであれば、おそらく早めに終わらせる行為は、学習というものに対してはいい効果を生まないどころか逆効果だろう。