日本で一番の学生数を誇る女子大であった武庫川女子大学が再来年度(2027年度)から共学化され、武庫川大学と名を改めるらしい。
近年女子大の募集停止や共学化が続いている。尼崎でも園田学園女子大学がすでに共学化し、園田学園大学となった。武庫川女子大では、付属の中学と高校は女子高のまま続けるそうだが、園田は来年度(2026年度)から付属校も共学化する。
今の時代、学生の奪い合いが過熱しているし、昨今の社会状況から、伝統的な女子大の学部構成(文学や家政学など)は当の女子学生から敬遠されがちなのだろう。武庫川女子大のように、建築学部や薬学部、経営学部のような総合大学にありそうな学部をそろえた大学でもそうなのだから、伝統的な女子大は本当にピンチなのかもしれない。
翻って塾生や今まで教えてきた経験のある女の子たちと、過去にしてきた会話を思い出した。多くの女子は女子高校や女子大を敬遠する傾向が強かった。理由はその子によっていろいろだが、個々の事情を抜きにしても、女子校が不人気なのは間違いなかろう。
ただ、女子大には女子大の良さがあると思う。それはひとえに「面倒見の良さ」。女子大はそもそもマンモス大が少なく、教員一人に対する学生の数が少ない(教員の目が届きやすい)。就職その他に対するサポートも手厚いことが多く、名門の女子大は偏差値のわりに(失礼な言い方だが)就職状況がいい。
女子大側もこうした側面を打ち出した広報活動はしてきただろうが、それでも昨今の女子学生には刺さらなかったのだろう。しかしながら、できれば数は少なくなっても、良質な女子大が存続していけることを、私は男であるが望みたい。
数は少なくなっただろうが「女子大に行きたい」という女子学生は必ずいるはずだから。