期末試験についてのお話しをもう一つ。
中学1年生にとっては初めての定期試験になる。当たり前の話だがわからないことだらけで試験が始まり、試験は終わり、結果を見ることになる。
そこで最初の試験だからこそ考えねばならない、いや考えるというよりも意識しておかなければならないことを言っておきたい。それは「完璧を目指して勉強すること」にある。
中学校の定期試験は小学校のカラーテストとは違い、高得点を取るのが難しい。結果を見ればわかることだが、90点以上あるいは100点を取る優秀な子もいる一方で、20点も取れない子もたくさん現れる。
そうすると平均点は科目による差はあれど50~60点くらいに落ち着くことになるだろう。そこで自分の点数を見てみて、例えば70点くらいだったとすると、「ま、こんなものか」と思うかもしれない。あるいは「あ、意外にイケてたんじゃないか?」と思うかもしれない。
これではいけない。恐らくそういう考えになる子は、ここで「70点あるいは平均より上」を自分の基準にしてしまいがちだ。そうすると目標は70点になってしまい、途端に70点もおぼつかなくなる。そしていつしか「60点やったけど平均よりは上」「55点やったけど平均と同じくらい」「50点やったけど平均にちょっと足りなかった」と、テストのたびに変動する平均点を基準にしてしまう。みるみる自分の基準を下げていくのがおちだ。
改めて言う。最初が肝心だ。なにはともあれ完璧を目指して、1年生は勉強しなくてはいけない。その意識で取り組んだ結果であれば、たとえ85点くらいであったとしても「満足」にはなるまい。「15点も足りなかった」になるはずだ。
もっときつい言い方をしてしまう。この意識が醸成できないまま試験を続けても成績の向上は難しい。最初が肝心だ。教科書を、参考書を、問題集を、目を皿のようにして追い続け、「1問たりとて取り逃すものか」「ひとつとして覚え逃しがあってなるものか」と重箱の隅まで追い回す気概で試験に取り組めなければ、成績上位は難しい。もっと言えば大学に行きたいと思った時にまず国立大学は無理だ。
少し話が大きくなりすぎた。まずは最初が肝心だという話。1年生には強く意識させたいし、2年生以上には、仕切り直しの意味も込めてもう一度伝えていきたい。