東京都の調査データから見た成績評定の分布から、評定3およびオール3に対する考え方を書いてきた。
では、調査データのうち、ここまで触れていない2および1に対してどのように考えるべきか、改めて今日は話題にしたい。
まず、科目によって多少ばらつくが評定2は平均して13%程度につけられているようだ。美術などの実技科目では割合が低く、英語は高めになっている。次に1だが、これは4%程度。科目によるばらつきは少ない。以前の日記の内容も参考にしていただければいいが、下位2割に2または1がつけられ、そのうち大半は2である、と思ってもらえればいいのではないか。
もう一度いうが、下位2割である。クラスが35人と仮定すると、5~6人が2、1~2人が1だということになる。これだけでも2以下の評定が「かなりやばい」のは間違いなかろう。
前回、評定オール3についての考えを「公立高校入試において選択肢が大きく狭まる」と言った。オール3はすべてにおいて得意科目がない状態であるといってもいいだろう。もしここから何科目かに2がついてしまうとどうなるのか。
まず、公立高校入試を考えれば選択肢は壊滅的になくなる。全日制の普通科というなら、いける高校があるだけありがたい状態になる。尼崎で話すなら、多部制もしくは定時制が選択肢に入ってくる(断っておくが多部制や定時制がだめだと言っているのではなく、全日制に比べて人気がないからという意味で申し上げているだけに過ぎない)。全日制にこだわるなら川西明峰や宝塚東など、尼崎からかなり離れた高校を考えなくてはいけなくなる。
さらにここに1がついている場合。言いにくいことだが全日制の普通科はまず無理。専門学科であっても定員割れしている高校でもなければ厳しい。では私立ならどうかというと、私立であっても、1がついている場合は高校側が受験を断ってくる可能性が出てくる。簡単に言うと高校進学そのものがかなり怪しい。
東京と兵庫では分布に差異はあるかもしれない。数字はあくまでも数字だが、我々が考えなければいけないのは、3あるいは2や1に対するしっかりした認識を持つことだ。そこから見据えなければ、先はない。