シリーズのように続けてきたが、最後は社会の話。全教科に関する総括もしてみたい。
社会の指導の中心は「学校復習」におく。そこから、学校復習に資する教材が中心になる。となると学校教科書に準拠したものを選ぶことになる。
準拠教材を比較した結果、新年度は「定期テスト対策ワーク(ワーク)」に決定。導入部分の説明が丁寧で、自学による復習にもってこいだと判断した。問題量が豊富とは言えないのが、準拠テキストの泣き所と言えばそうなのだが、社会(と理科)はとにかく学校ワークが問題豊富で優れている。当たり前だが学校ワークには教科書の解説が皆無に近いので、「ワーク」をしっかり活用させたい。学校授業、「ワーク」の復習、練習、学校ワークの練習、と重層的に復習を連続させて定期テストの結果につなげたい。
演習用だが、ここには理科同様「オリテキS-Road」を導入したい。理科に比べて1項目の範囲が広いが、入試問題が豊富なので模試などの実戦問題に向けた演習がさせやすい。一問一答や用語の確認もしつこくさせてくれるので、長期休みなどにがっつり問題に取り組ませたい。
改めて新年度のテキストを挙げてみたが、各教科「ワーク」の出番が多い。どうしてこんなに、と思って見ていると、そこには大きな特徴があった。それは「学校教科書の復習」を手厚くさせたい、という思いが紙面から見て取れる点があると思う。
他のテキストが劣っているということは決してない。問題のレベルやテスト対策問題の充実度などを見ると、「ワーク」よりいいと思ったテキストだっていっぱいある。あくまで推測の域を出ないが、教材に仮託した思いと、それを塾がどう使うかのマッチングの問題だと思っている。それが私の場合、「ワーク」に偏った結果だろうと思っている。
他のテキストは(特に英語に顕著)解説のスペースが小さい。だからといってその教材が不親切だというのではない。おそらくは学校ワークと同様に教材を「練習問題集」として利用させたい、との考えが強いのだろう。だから、そのような教材は得てして問題のレベルが高い。その体裁が、「塾内でメインテキストとして授業で使いたい」という私の思惑と合致しなかった、というだけのことだ。
改めて教材選定というのは、各教材に優劣をつけて行うのではない。どの教材で成績が上がるかでもない。どの教材で成績を向上させたいかで選ぶのだ。そのためにも我々塾講師は日夜教材に目を通し、選定の時には見本や展示会に足を運び、教材とそれを手に取る自分や生徒のすがたを浮かべ、教える側のエゴを捨て、生徒の現状に迎合もせず、可能な限り教える側と生徒たち双方の思いのようなものを高次元で両立すべく考えなくてはならない。
5年目を迎える私も、この初心を改めて胸に刻み、指導に当たりたい。