人間は考える葦(あし)であるーとは、有名なパスカルの警句だ。
考える、というのは(おそらく)人間のみに許された特権であり、義務であるように思う。
「考える力」をつけさせたい、こう思う親御さんは多いはずだ。
では「考える力」はどうやって身についていくのか、あるいは増強していくのか。
ここでは思い切って、一つに絞って答えめいたものを提示したい。
「思考力は、思考の回数によって決まる」という答えだ。
思考訓練を早くから、たくさん積んだ子ほど、思考力は高い。
これはスポーツなどとも共通すると思う。
プロ競技のように、才能などの努力以上の何かが介在する世界を除けば、たいていのスポーツは「経験量の差=実力の差」と言っていいはずだ。
思考力も同じ。
経験をたくさん積む。
時には答えが出ない問題にぶち当たっても、しつこく考える。
これ以上は無理、という限界までしつこく考える。
小さな物事であっても、深くしつこく考える。
納得がいかなければ、親であろうが先生であろうがしつこく聞いて考える。
これを幼少時から続けた子は、高い確率で成績がいい。
成績だけでなく、「頭いいな、この子」と感想を持つ。
わが子は中学生だし、今からでは遅い、と考える必要はない。
思い立ったが吉日という言葉もあるが、思い立って「今日からやるぞ」と決めたその日から、過去は変えられないが未来は変えられる。
思考訓練については長くなるから今日は書かない。
まずは「思考訓練の回数が学力や成績に直結する」という一点を今日はお話ししておきたい。