勉強におけるアプローチに西洋医学的なそれと、東洋医学的なそれがある、と話した。
その中で、各々のアプローチは、タイミングによって使い分けねばならないとも言った。
ただ私は、普段の授業時間の中では東洋医学的アプローチを試みている。
東洋医学的アプローチを端的に言うなら、「勉強の基礎体力」づくりだ。
勉強の基礎というと、話が大きくなってしまうので何日かかけて少しずつ話をしていきたいが、今回は
読み学問ができるか
に焦点を当てる。
最近はデジタル教科書や映像による視覚的な教材が増えたせいか、「読む」時間が大きく削られた感がある。
塾生たちを見ているとよくわかる。
まず読めていない。教科書でも問題集の問題でもいいが、字面しか見えていない。
例えば社会や理科の教科書なら、太字しか見えていない。その太字の周りにある情報が試験では問われるのに。
だから今、塾では学校の単元が終わった後、復習目的で教科書を読ませるようにし始めている。
5~6ページの教科書に対し、20分くらい時間を与えて読み込ませる。
その20分の間に言語を通じて知識を整理させようという試みだ。
参考書や塾テキストには「まとめのページ」がある。
教科書内容などをコンパクトにまとめたページであるが、そのまとめだけ読んでも知識は整理できない。
むしろ情報は細切れにされているせいで、理解にとっては妨げとなるリスクまで負う。
あれは、教科書を一通り理解したうえで見る時にこそ、効果を発揮するのだ。
迂遠ではあるが、まだ学習に余裕のある今の時期だからこそ、読み学問を進めさせたい。