公立高校の進路状況

5月が近づき、公立高校が進路状況をHPで公開し始めた。

西宮市などはまだのようだが、私のホームグラウンドである尼崎市は大半の高校が出そろったようだ。

高校選びの大事な要素なので、もちろん毎年欠かさず分析している。

早速見て回っているのだが、だいぶ様相が変わっているようだ。

高校別にみてみよう。すべてにコメントすると長すぎるので代表選手3校をチョイスする。

私立大学の合格者数は特に断らない限り延べ人数である。すべての数字を載せると読みにくくなるので、詳細な数字は各高校のHPを参照していただきたい。

尼崎稲園高校

国公立合格者は10人ほどアップ(150人)。京大が1人→6人に増えたが、これは前年が悪すぎただけだろう。阪大、神大、大阪公立大といった難関大の合格者に大きな変動なし。

私立大学。同志社の合格者が93人に大幅アップした。定員厳格化が緩和されたことが大きいのだろう。立命館だけ減ったが関大、関学も大幅に合格者を増やしたようだ。立命館は遠いから敬遠されやすいのだろう。一方定員厳格化の時期に受験者が多かった近大や龍谷大はガクッと数を減らしている。国公立大の受験者層が併願に指名しなくなってきて、代わりに関大や関学に移っているのだろう。

尼崎北高校

国公立大合格者に大きな変動なし(44人→42人)。気になるのはその中身で、前年3人ずついた阪大、神大は今年は神大1人だけ(しかも浪人)。一方やたら目立つのが大阪公立大(3人→10人)と徳島大(1人→7人)。そういえば稲園も今年は徳島大が1人→5人。何かあるのか?

私立大学。同志社が増えたがその他の関関立は少し減った。ただ、尼北は実合格者数も公表しているのだが、関関同立全てにおいて実合格者数は増えている。こちらも定員厳格化緩和の影響なのだろう。確実に関関同立を狙いに行く生徒が増えたのかもしれない。私立大学全体の合格者も100人くらい減っているが、これも定員厳格化緩和もあって滑り止めを乱れ撃ちのように受験する人が減った分、見かけ上は減っているように見えるだけだろう。

市立尼崎高校

今回一番気になったのはここだ。

まず、国公立合格者だが半分近くに減っている(30人→17人)。大阪公立大が3人と、受験大学のレベルは大きく変わっていないようだが、国公立志望者そのものが減ったのだろうか。定員厳格化緩和の影響で私立専願に流れた層が多かったのかもしれない。

その私立大学。関関同立を見てみると、関大だけ15人増えた(29人→44人)が、ほかは前年以下。私立大の合格者総数自体は少し減った程度なので、どこに流れたのかと思うと、このあたりである。近大(66人→78人)と甲南大(35人→55人)、そして最近TVCMも多い大和大(21人→35人)。定員厳格化時代に猛威を振るった龍谷大(前年105人!)は45人に激減。定員厳格化も緩和されたし、わざわざ遠い大学を受験することもないだろう、という流れになったのはよかったとみるべきか。あとひとつ気になる大学は追手門学院大学(31人→87人)。この大学はやたらに推薦入試が多いので、年内で受験を終わらせたい層が多く受けたのだろうか。併願の抑えだろうか。邪推でしかないが。

雑感

国公立大学に関していえば、尼崎市内の話だが「稲園とそれ以外」の構図はもう固定化されている。1年限りの現象の可能性もあるので決め打ちはしないが、私立大の定員厳格化が緩和された影響で関関同立などの有名私立大は再び目指しやすくなったので、「尼北から関学、関大」「市尼から関大、近大」というルートが定着する可能性は否定できない。さらに上を目指そうというマインドが働きにくくなる可能性である。

何度かこのブログ内でも話しているが、大学進学実績は高校選びの重要なファクターである。これから中学3年生は学校の教育相談やオープンハイスクールなど、高校を考える機会が増え始める。大学受験がすべてではないが、進学を考えるのであれば、しっかりデータを分析して高校を選びたいものだ。

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