中学3年生に数学の平方根を教えている。
中学1年生が私の板書をじっと見ている。
当たり前だけれども1年生はルート記号の意味なんか知らない。
一言「割り算みたい(割り算の筆算の形がルート記号に似ているということだろう)」。
こういう反応は私を大いに刺激する。
「どういう意味やと思う?」当然1年生は答えられるわけがない。
翻って3年生に「ルート4っていくら?」と聞いてみる。
当たり前のように「2」と答える。
1年生は「どういうこと?」という顔をする。
彼は仕組みを知りたいのだ。
私は「2乗したら4になるのがルート4やで(厳密には違うところもあるが)」と教える。
続けざまに「ルート9は?」と聞いてみる。
1年生はしばらく頭をひねって「3」と答える。
完全ではないかもしれないけれど意味をつかむことはできかけている。
その間、3年生ももう一人いた2年生も耳を傾けている。
みんなに知ってほしい。大事なのは好奇心だ。
順番に従って教えることは当然大事だが、今目の前で行われている授業が自分に関係なくても耳を傾け、いつか習うことなんだと思いながら考える経験をしてほしい。
そして1年か2年たって成長した頭脳でもって改めて授業を受ける。
あのときおぼろげに聞いた話が具体的な理解やイメージを伴って脳みそにしみこんでくる。
「あれは自分に関係ない話だから」で済ませるのはあまりにももったいない。
だから私は3年生の授業に1年生や2年生を巻き込む。逆に1年生の授業に2年生や3年生を巻き込む。「これなんやったっけ?」といきなり3年生に1年生の理科の話や社会の話を振り向ける。「聞いてきやがった」という顔をする(笑)。答えられない。「1年前何やってたん?」と笑われる。
開塾当初は集団授業を考えていた。途中軌道修正し、学年を問わず集まって好きなだけ勉強する場に変えた。その効果が2年近くを経た今、形になって表れ始めた気がする。この形態の塾はふた昔、いやそれ以上前の前近代的な学び舎の形だ。私の中で理想に近い形ができそうな予感にワクワクしている。
まだまだ仲間は募っています。ご参加をお待ちしています(最後は宣伝)。