進学における「数字」の見方③模試

こんにちは。

進学における「数字」の見方と題して、内申点学力試験のお話をしてきました。

今回は偏差値のお話の前提として、模試についてお話しします。

ここでは、各学年における模試の位置づけと使い方、模試の種類、進学先と模試の関係をお話しします。

各学年における模試

まず、1,2年生について。

この学年における模試は、主として「学力の確認テスト」という位置づけで見ましょう。志望校判定や順位を出してはくれますが、そもそも受験する生徒数自体が多くないのであまり深く考えなくてもいいと思います。

1,2年次に模試で注意する点は、点数や偏差値、順位ではありません。塾によってはクラス判定の材料に模試を使うこともあるのでまったく気にしなくていいとまでは言いませんが、そこまで重要視することはないでしょう。大事なのは「自分の苦手な教科や分野を知ること」です。各問題の分析や得点配分、平均点などの方に目を向け、自分に足りないもの(時間配分、苦手分野の練習量など)をしっかり把握することに模試の意義を見出しましょう。

一方3年生ですが、ここからは志望校判定が重要な意味を持ちます。特に1学期の成績を使って内申点判定が出せるようになる夏休み以降の模試では、かなり信頼度の高い判定を受けることができるようになります。これは単純に3年生になって受験勉強を始める層が一気に模試を受けだすからです。

また、回を改めて詳しくお話しすることになりますが、この志望校判定は中学受験や大学受験の模試の判定とは全く異なった性格を持ちます。一言で言いますと、「チャレンジの余地がほとんどない」ということです。ギリギリでもなんとかなる、という甘い見方ができないのが高校受験における模試の判定だと思っておく必要があります。

高校受験における模試の種類

ここからは3年生を対象としたお話に限って進めます。

高校受験における模試は大きく分けて3つあります。「各都道府県の公立高校受験を対象とした模試」と、「広い地域にまたがる統一学力テストとしての模試」、「(一部の超難関校に限りますが)特定の高校を対象とした模試」です。最後の1つは本当に限られた受験生が対象ですので省略し、前2つの種類についてお話しします。

まずは公立高校受験を対象とした模試について。これは、出題形式などを各県の公立高校に似せた形で出題するなどし、内申点判定(1学期の成績5段階を記入して計算)も加味して合格可能性を判定する模試です。兵庫県ですと、兵庫模試や兵庫統一模試などがこれになります。

この模試の特徴ですが、何といっても「公立高校入試に特化している」点にあります。公立高校を第一で考える生徒さんの場合、一般的な学力テストよりも受験する価値が高いと言っていいでしょう。模試会社でも長年のデータや追跡調査などの結果を踏まえて判定を出してくれます。

次に統一学力テストとしての模試について。こちらは五ツ木のテスト会などが老舗です。特定の高校によらず、一般的な学力テストとしての模試を実施しています。

こちらの特徴は、先の公立高校特化型と異なり、広い地域の受験生の中から志望校判定が得られる点です。他県からの受験生が多い私立高校(大阪は特にそうです)を志望する際には、このタイプの模試を受験する方がいい場合が多いです。

進学先と模試の選び方

公立高校に進学を希望する場合は、地元県の公立入試を対象とした模試がメインになるでしょう。公立高校進学を中心に据えている塾ではほとんどがこのタイプの模試を予定に組み込んでいます。当塾もそうです。どの模試がいいかといった比較はここではしませんが、基本的に通っている塾で実施している模試をしっかり受験すればいいと思います。

一方で私立高校(特に他府県)を専願する場合ですが、この場合、地元特化型の模試はあまり意味がありません。例えばですが、兵庫県の中学生しか受験しない模試で大阪の高校の判定を出すのには無理があるからです。塾に相談して公立向け模試の受験は最低限にとどめた方がいいかもしれません(とはいえ、専願受験に失敗した場合など公立高校を受験する可能性もありますから、公立向けの模試を全く受けないというのは考えものです)。他府県の生徒も受験する模試の方が精度の高い情報を得られます。当塾でも、模試のスケジュールを勘案して違う模試の受験を勧めるケースはあります。

まとめ

模試にも目的というものがあります。学年や志望校など、目的に応じて活用して初めて、模試には受験する意味や効果があります。しっかり考えて受験する模試を選択し、しっかり考えて模試を利用し、学力アップにつなげていきたいものです。

次回は模試からわかる数字(偏差値や判定など)についてお話しします。

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