単語テストにみる個性

当塾では週に1回(木曜か金曜)英単語テストを課している。

小学生(英語受講者のみ)は週に30~50語(内容によって変動)。

中学1,2年生は40語程度、中学3年生は80語弱。

範囲はもちろん事前指定。「1週間かけて覚えておいで」と声はかけてある。小学生と中学1年生はまだ英単語暗記に慣れていないので、事前につづり、読み方、単語の解説を交えて指導する。テストは全て英語での書き取り、日本語の意味を答えさせる問題は一切出題しないし、範囲の語句は全て出題(範囲内から20問だけ出すなどの出し方はしない)。

合格点(合格点は不定、実際の答案を見て合否を判断する)に達しなければ指定日に再テスト。

最初のうちは授業開始と同時にテストを配布して「はいスタート」であったが、最近思うところあって事前に10~15分程度の見直し時間を与えることとした。直前の詰め込みで点数が上積みされてしまうデメリットは承知の上だ。

それを差し置いてもなお事前時間を導入したのにはわけがある。見直しの様子を観察したかったのだ。

その日は受験者3名。仮に生徒名をA,B,Cとする。それぞれの単語の確認の仕方を観察してみた。

Aの場合

単語集を眺めている。おそらく大半の単語は覚えきれているのだろう、つづりの長いものや怪しいと思うものに絞って指で書いてみたりして確認しているようだ。

結果は合格点

Bの場合

雑記帳(ルーズリーフだったと思う)に上から順に単語を書きまくっている。大相撲よろしく「時間いっぱい」の合図をする。まだ途中の単語であるのはわかっているが「時間いっぱい」である。

結果は不合格、再テスト。

Cの場合

ノートのページを破ったような紙を持っている。自分の手元には雑記帳の類のノート。ノートの切れ端には番号と思しき数字と日本語。そして雑記帳のほうに一心不乱に英語を書いている。どうやら切れ端を問題用紙代わりにして雑記帳に答えを書いているようだ。時間いっぱいの合図を待たずに「全部いけた!」の声。

結果は合格。当然のごとく全問正解。

自分に合った方法を見つけよ

これだけだと「Cの方法が素晴らしい」という感想だけで終わりそうだがそういう趣旨ではない。

Aは合格している。後出しになってしまうが、Aは3年生であり、範囲が他学年の2倍近い。Cと同じような方法をとっても10分そこらでは時間が足りないのだ。

大切なのは「合格」という結果に対するアプローチの仕方を考えること。今回はBが不合格であったが、であればやり方を自分で見直さなければいけない。「こうやるといいよ」と教えるのは簡単。だが人から言われた方法を即座に実行する、そして続けるのは難しい。大人であっても心当たりはあるはず。私も今しばらくはBのやり方を静観する。自分で気づくための時間をとってほしい。それでも気づかなければ指導していくつもりではある。

結論。勉強の仕方は人それぞれ。自分を知り、自分に合った方法を見つけるのは他人任せではいけない。冷たいと思われてもこちらから押し付けて指導するのは避けていきたい。

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