進学における「数字」の見方②学力試験

前回は、内申点の見方についてお話ししました。

今回は学力試験についてお話しします。

学力試験は、公立と私立を問わず実施されるものですので、分けてお話しします。

公立高校学力検査

兵庫県では、学力検査は英数国理社の5教科100点満点で実施され、合格判定の際には半分の250点満点に圧縮し、内申点(250点満点)との合計と、第一志望加算点(第2学区は20点)を加えて判定が実施されます。

範囲は中学校で習得する全範囲で、基礎的な知識・計算問題などから思考力を必要とする問題まで幅広く出題されます。

試験の中ではっきり示されているわけではありませんが、問題はある程度の階層に分かれています。

すべての生徒が解けることを想定したレベルの問題

中堅レベルの高校を志望するのであれば正解してほしいレベルの問題

上位校を志望するのであれば正解してほしいレベルの問題

といった感じです。それぞれのレベルが実力の分かれ目である、と考えるといいでしょう。自分のレベルであればどの問題が解けなければならないかを見極めなければいけません。

はっきりと何点取れれば合格、というのは難しいのですが、内申点と同様ある程度のボーダーラインは存在します。5教科合計で何点取れればいいのか、目標を定めて取り組む必要があります。

もう一つは模試を活用することです。模試の偏差値と合格可能性はかなり強い相関がありますので、塾を通じてでもいいですし、書店やインターネットを通じて個人で申し込むこともできますので、活用をおすすめします。

私立高校入学試験

私立高校の入試は、各学校によってさまざまです。ほとんどの高校では、推薦入試などの一部特別な形式を除き内申点は数値化されず、本番の学力試験の点数で合否を決定します。内申書(調査書)は参考程度に扱われることが多いようです。

この本番の学力試験ですが、範囲、科目、難易度などは当然ですが各高校によって異なります。

英数国理社の5教科を出題するパターン、理社を除いた3教科で出題するパターンが多いですが、社会だけ出さない4教科型の高校も珍しいですがあります。

難易度も様々で、公立高校と大きく変わらない難易度の高校、複雑な計算など中学校の範囲内で難しい問題を出す高校、中学校の範囲を逸脱し、下手をすると大学入試に近い難易度の問題を出題する高校、逆に基礎的な計算問題などが大半を占める学校などがあります。

科目の配点も色々で、5教科全て同じ配点の高校が大半なのですが、英語だけ配点が高かったり、理社だけ配点が低かったりする高校もあります。学校のカラーを反映していることが多いように思います。

公立高校の併願受験をする場合、専願受験する場合などお子さんによって受験校を決定する時期は様々ですが、いずれにしても受験校を決定するタイミングで受験データなどを参照し、特に合格者最低点をよく確認しておきましょう。過去問などで練習する際の目安になります。

私立高校を志望する場合も模試の活用は大変有用です。特に私立高校は通学範囲の制限があまりないため、他府県の生徒も受験が可能です。模試を受ける場合は兵庫県などに限定された模試ではなく、広い地域を対象に実施される模試を選択するようにしたいものです。

過去問練習の難しさ

大学入試や中学入試と違い、高校入試は過去問に取り組む時期が遅くなりがちです。

数学や理科のように3学期に学習する内容がしっかり出題されるからです。学校と同じペースで勉強しているとギリギリの段階になるまで手が付けられない問題が出題されるので過去問に手が付けにくくなります。私立高校のように2月の受験だとさらに大変です。

冬休みには入試範囲の予習を終える、など計画を立てて臨む姿勢が求められます。特に難関校や上位の公立高校を目指す場合であればなおさらです。進学塾が早い進度で授業を進めるのは、こういう理由があります。

まとめ

学力試験を考えるとき、まず最初に思い浮かぶのは勉強内容、出題内容でしょう。ですが、もう一つ大事なのは「数字」です。合格最低点、科目の配点などです。データをしっかり分析し、必要な数字や勉強の時期などの計画をしっかりと練るのも大切な受験戦略だと思います。

次回からは偏差値についてお話ししていこうと思いますが、その前に偏差値をはじき出す場所となる「模試」についてお話ししていきたいと思います。

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