今回は教科シリーズにお話を戻しましょう。
算数のお話です。
算数とは
以前に触れたことがあるのですが、算数というのは、「答えを見つける・求める」ことに主眼が置かれます。
文章題にしても、図形の面積にしても、複雑な計算問題にしても、「答えは何?」「答えの求め方は何?」というのが算数の基本です。小学校の間、いろいろな種類の問題に触れることになりますが、大事にしなくてはいけないのは「問題をたくさん解いて、解き方や求め方を自分のものにする」ことです。
小学校で算数ドリルの宿題が出されるのは、学校で習っただけではすぐに忘れてしまうから、家で繰り返し練習して自分のものにしてね、というメッセージです。
あともう一つ。算数で得られる考え方は日常生活でも役に立ちます。買い物の際に「大体いくらくらいになるか」「何個まで買えるか」を、いちいちスマホの計算機能を使わなくても概算できる、割引の意味を値札を見るだけで理解できるなど、基本的な計算ができるとできないとでは決断の速さや予測の立て方に大きく差が生まれます。
取り組み方
基本は「繰り返し」です。「繰り返し」を通じて、「見ただけで解き方や考え方がすぐに頭に浮かぶ」状態になれたらもらったも同然です。
小学校の間に学ぶ算数の考え方は、数学で役に立つのはもちろん、理科における計算や公式の応用、社会におけるデータの分析にも役に立ちます。算数ができるというのは、勉強そのものの出来に直結するといっても過言ではありません。事実、中学入試では「算数1教科型受験」を実施する学校や、算数を2日間に分けて2回実施する学校があったりします。
得意な子
学校進度にかかわらず、どんどん先取りしていくことをお勧めします。算数の場合、中学の数学と違って考え方に気づくことが大事なので、進み過ぎても理解が苦しくなる場面は少ないです。解けるようになるのも大事ですが、考え方を学ぶように進めていくのがいいでしょう。問題集や教科書の例題を見て、「こう考えればいい」というのが理解できて問題が解けているなら大丈夫です。
先取りの代わりに、中学入試の問題にチャレンジしてみるのも面白い試みだと思います。受験するつもりがないとしても、中学入試の問題は「考える力、思考力」を試す良問が多いです。考える力を高める練習のつもりで解いてみるといいでしょう。ただ、注意点が一つあります。レベルによっては大学受験を経験し、難関の大学に進学できた人であっても「うーん」と首をひねるような難問が出題されることもあるのが中学入試問題です。お子さんに解かせてみるのであれば、わからない問題を説明できるように準備してあげないといけないので、せめて「解説を読めば理解はできる」程度の準備はしておくべきでしょう。
苦手な子
やみくもにどれもこれもできるようにするのは得策ではありません。まずは「優先すべき項目に絞って」取り組むことをお勧めします。
優先すべきことを判断するポイントはいくつかありますが、例を挙げると・・・
・中学進学後すぐにつまづかないようにする(計算・単位計算・割合の計算など)
・題意把握できるようになる(文章題など)
・基本的な公式を使いこなせるようにする(面積の求め方など)
こんな感じでしょうか。
特に文章題の場合は抵抗が大きいと思いますが、まずは「解けなくてもいいから一緒に考える」を目標に、粘り強く取り組むことが大切です。
終わりに
算数の勉強は、今後も続く勉強への基礎体力作りでもあります。また、お仕事や日常生活で大切な「考える」作業の入り口にもなります。
苦手を得意に変えられなかったとしても、取り組みをさせないという選択肢だけは絶対にないようにしたいものです。