名古屋市で通知表評価をめぐり、教師に対して「相対評価になるように」指導している学校があったことがニュースになっていた。
我々世代のころの相対評価と、今の絶対評価。それぞれにメリットもデメリットもある話だから、どっちがいいかという話はここではしない。私個人は相対評価の方がいいとは思っているが。
問題なのは、このようにどちらに転んでも問題が出そうな評価制度が、高校受験に多大な影響を及ぼす点にある。いうまでもなく内申点の話だ。
よく聞く話で言うと、同じ県のA市は学力が低いので内申点が高くなりやすい(どうしても先生の判断が甘くならざるを得ないから)。一方隣のB市は学力が高いので内申点が低くなりやすい。公立高校受験となると、どの中学校であろうがどこの市の出身であろうがお構いなしに、同じ条件で点数がはじき出される。口には皆出さないだろうが、B市の子たちからしたら不公平と思うのも無理からぬ話だろう。
かくして、わが子を大学に行かせたいと考える親は、経済状態が許すなら中学受験を考えるのだ。高校受験で理不尽な(あえてこの言い方を使う)扱いを受けずに済むのだから。結果として公立中学校のレベルが下がる。何も中学受験をしない子が劣等であると言っているのではない。レベルの問題は別にして、勉強に対する意識の高い子あるいは家庭が公立中学校に行く選択肢を取らなくなっていくのだもの、公立中学生の中なる意識の高い子あるいは家庭の割合は低くなってしまう。
教育に対する考え方が様々なのは承知している。いろいろな取り組みが合って構わない。そのすべてが子どもたちの未来に資するものになることを願っている。そのために競争が必要ならそれでよし、競争があった方がまずいというならそれでもいい。確固たる背骨を持った教育であってほしいし、私もその背骨をしっかりと持って日々の指導に当たりたい。
私個人の考えはいずれどこかで話したい。