先日、何気なく見ていたYoutubeの話。
ある受験生の女の子が、塾の先生と思しき人と対談していた中でのことだった。
その女の子は、何か思うところあってのことだろう、大学受験を決意して勉強を始めた様子だが、出てくる言葉に違和感だらけなのだ。。以下は彼女の話の概略。
「今のところ模試の成績等は振るっていない。頑張った分伸びては来ているがまだまだ。前から通っている塾はあるのだが、あまり管理をしてくれない。そこで塾に進言し、管理を強くしてもらうようにお願いした。監視の内容は塾に行ったらスマホを預けてしまう、監視カメラを確認してもらい、様子を見て声をかけてもらう、モチベーションが落ちていそうなときに単語テストを出してもらうなど。」
彼女本人がいろいろ考えて勉強体制を作ろうとしていることに関して、否定するつもりは全くない。だが、それでも考えてしまうのだ。
なんで「大学で勉強するための」勉強を管理されないとできないのか。もっというと、後出しになるが彼女の志望は東京大学だそうだ。そんな受験勉強で東大に行けたとして何ができるんだろうか。東大で勉強するときも管理してもらうんだろうか。聞き手になっていた先生(彼女の通う塾の先生ではないようだ)も驚きはしたものの否定はしていなかった。私だったら多分苦言を呈してしまうと思う。そんな風にしてもらえないと勉強できないやつが東大なんて目指すな、と。
翻って私も属する教育産業。管理をしてほしいという保護者のニーズは強い。そのニーズに合うような体制を敷いている塾や予備校が人気を博しているのも納得だ。中学生や小学生に管理が必要なのは理解している。小学生はまだ幼いし、中学生もやはりまだ子供だ。ただ、これは私の経験から言えることだが、断言してもかまわないとさえ思っている。難関高校や難関大学に合格できる人ほど管理はあまりしてこなかった。がみがみ言われて、しつこく言われて、尻を叩かれてでやってきた人はできても志望校より数ランク下の学校に滑り込み合格だ。
私は何も学歴や偏差値がすべてだなんてこれっぽっちも思ってはいないのだが、自分の意志で何かをやると決め、そのために頑張ろうとする姿勢がなければ、何物もなしえないと信じている。だからこそ管理してもらう体制が当たり前になるかもしれない今の教育産業、受験産業の現状に戦慄している。