進学を考えるヒント③中学校生活

2回にわたり、個人的にはかなり切り込んだお話をしてきましたが、今回を一応最後にします。

真面目な話題に戻して(今までも大真面目ですけど(笑))中学生活について総まとめ的にお話ししたいと思います。

将来を考えながら過ごす

難しい問題ですが、「将来を考えて過ごす」ことを中心に据えて中学生活を送りましょう。お子さんに将来について尋ねると「何も考えてない、わからない」という答えが高確率で返ってきます。この状態になってしまうと脱却させるのはかなり難しいのですが、ヒントになるのは「将来=職業」というような安直な考え方をしない、させないことだと思います。

もちろん、「弁護士になりたい」「医者になりたい」「サッカー選手になりたい」といった明確な夢や目標があるならいいのですが、そういう明確なものがないまま、「将来=何の仕事をするか」というような考え方をしても何も出てこないですよ。

将来というのは、何も社会に出てからだけのものではありません。「〇〇大学に行く」「△△高校に行く」というのも将来ですし、もっと言えば「テストで1番になる、100点取る」というのも立派な将来です。いつまでもこの考え方ではいけませんが、遠い将来が難しければ近い未来から考えてみるのもいいかもしれません。

もう一つの方法は「将来」を考えるのではなく、「今を見つめて問題意識を持つ」ことです。問題意識から将来の目標が見つかる(例えば大学での研究分野や職業など)ことは多いです。

学校の授業では(特に社会や国語)、現実に起きている問題を取り上げたり一緒に考える機会があります。学校の授業でなければテレビや新聞、インターネットのニュースでもいいでしょう。もっと言うと身の回りの理不尽さや不条理からも問題意識は芽生えます。ゲームやスマホなどの目の前の快楽に飛びつくのもいいですが、それだけしかない人間ははっきり言って「漫画などに出てくるダメ人間」です。

周りを見る、意識する

これは何も周りに勝とう、競争しようという意味ではありません。他人から刺激を受ける経験をもっとしてほしい、という意味です。

何かに一生懸命な友達、めちゃくちゃゲームがうまい友達、ヤンチャだけれど実は心の優しいクラスメートなど、周りを見渡せば様々な生徒が教室にいるはずです。それぞれがいいところ、悪いところを持っていて、好きなタイプや嫌いなタイプもいるかもしれません。でも、そういう人たちから学ぶことは多いです。これは、中学受験などを経て学力で選別されたわけではない、公立中学ならではの魅力だと思います(もちろん私立中学にもユニークな人はたくさんいますし、魅力的な環境もたくさんありますよ)。

特に今の時代はSNSなどの発達もあって、大人であっても居心地のいい環境だけを選びやすくなっています。そこにとらわれてしまいたくなる気持ちは理解できないわけではありません。でも、それでは人間の深みは生まれませんし、人生は好きな人たちとだけ付き合っていけるわけではありません。

自分を知る

自分がどういうものかを知ること、知って傷つく経験をすることも大切だと思います。

いくら頑張ってもテストの点数で勝てないクラスメート、いくら頑張ってもレギュラーになれない部活動、こっちはこんなに好きなのに振り向いてもくれない異性(笑)、こういう「勝てない、うまくいかない」経験ができるのは中学生の特権です。大人になってもこういう経験はありますが、大人になってから初めてこういう心がくじける経験をすると、深い傷を負ったり絶望したりして立ち直れなくなったり、下手をすると犯罪に走ってしまうことにもなりかねません。

これだけを言うと「自分がだめなことを知れ」と言っているように聞こえてしまいますが、もちろんそういう意味ではありません。

自分にはこういう特徴や長所があったのだと気づかせてくれる友人や先生、自分が考えていたのとは全く違う部分に魅力を感じてくれた異性、努力すればできるのだと気づける瞬間、などプラス面に気づくことの方がいっぱいあるのが学校生活です。

そういう生活を通じて、「自分ってこういう部分が優れているのか(あるいは劣っているのか)」ということが自覚できると、客観的に自分を見る目が養われます。先にあげた将来の目標や、周りの人たちとの中における自分の位置などにも気づけるようになるものです。

就職活動の際に大切な要素の一つに「自己分析(自分がどういうタイプの人間であるかを知っておくこと)」というものがあります。この自己分析というのは、まさに他人との間において可能になるのです。「他人から見た自分」から「長所や短所」「性格」などを知ることができ、他人に「自分を知ってもらう」ことができるのです。

最後に

今回はあえて「受験だ偏差値だ」というようなお話は避けました。

何だかきれいなお話になったような気がしますが(笑)、今回お話ししたかった真意はこれです。

どうせできない(あるいはしようとしない)お子さんがいっぱいいるのが事実だからあえて言いたい

そんなことはない!私は誰よりも充実した生活を送っているんだ(あるいは送るんだ)!という皆さん、頑張って楽しく、辛く、それでも幸せな中学校生活を送ってください!!!

そして親御さん、どうかお子さんに充実した中学生活、将来「あの時が一番楽しかった」と言えるような、そんな幸せな中学生活を送らせてあげてください!!!

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