公立中学校からの大学進学③受験その2(一般受験)

前回に引き続き、大学受験のお話しをします。

ここまで、内部進学、推薦入試による進学についてお話してきましたが、今回は一般受験について。

一般受験とは

皆さんが大学受験と聞くと、真っ先に思いつくのがこの方式だと思います。大学・学部が出題する入試問題を解き、点数が上位のものから順に合格する受験形式です。

ただ、この受験方式、どんどん縮小しています。というのも、前回お話しした推薦入試の定員が拡大してきている影響で、一般入試での募集定員は各大学でずっと減少を続けているのです。特に顕著なのが関西学院大学で、一般入試での入学者は全体の入学者の40%未満だそうです(他は推薦入試や指定校推薦、付属や系列校からの内部進学です)。

国立大学も同様で、国立大学では、定員の30%を推薦入試で選抜する方針を掲げています。公立大学も基本的に国立大学にならうため、同じように推薦枠を拡大させると思われます。

ただ、とはいうものの、やはり大学受験の方式の中で大きな割合を占めるのも事実です。しっかり、お子さんの進学を見据える際には理解しておく必要があります。

一般受験は、受験する大学が国公立か私立かで大きく分かれます。

国公立大学受験

国公立大学の一般選抜は、2つの試験を経て決まります。「大学入学共通テスト(旧:大学入試センター試験)」と「個別学力試験(二次試験とよく言われます)」の2つです。大半の大学は、この2つのテストの点数を独自にアレンジし、合計した点数を出して合否を判定します。東京大学など一部の大学や学部では、指定した倍率(3倍程度)以上に志願者がいる場合、共通テストの点数が基準に満たない者は二次試験の受験を認めない、いわゆる「足切り」が行われることがあります。また、併願はできませんし、入試は1回のみです(後期試験はありますが、前期で合格している人は受験できません)。

大学入学共通テスト

毎年1月の中旬に、英国数理社の5教科8科目(数理社は分野ごとに2科目)をマークシート方式の試験で2日間かけて行います。満点は全科目で900点ですが、大学(特に公立大学)によっては全科目受験する必要がない場合もあるので、全科目を受験しない生徒にとってはこの限りではありません。なお、後で説明しますが、この試験の結果は私立大学入試でも使えます。

個別試験(二次試験)

各大学が作成した入試問題を解答します。国公立大学の場合、大半は記述論述形式です。教育大学では学力試験の代わりに面接や小論文、実技試験(音楽や美術など)が課されたり、医学部医学科では学力試験に加えて面接試験を行ったり、大学や学部によって実施方法や科目は様々です。2月末に前期日程(定員のほとんどを募集するメインの試験)と3月上旬に後期日程(若干名の募集を行う試験、推薦入試の拡大により実施する大学は少なくなってきています)、公立大学のみ間に中期日程(3月初旬)が行われます。

私立大学受験

基本的には、各大学が実施する個別試験を受験することになります。総じて試験科目は国公立大学に比べて少ないのが特徴です。国公立大学との違いをまとめます。

入試時期は大学によってバラバラ

近畿圏では、1月の下旬から2月の中旬に前期試験(A日程などとも呼ばれます)が行われるのが一般的です。関関同立だと2月1日からスタートします。2月中旬に中期試験、3月に後期試験(欠員補充)の流れになります。各大学が受験日程を設定していますので、日程をしっかり確認する必要があります。

複数受験が可能

各大学が色々な日程や併願方式を持っているため、何度もチャレンジすることが可能です。学部にこだわりがない場合、同じ大学を5回でも6回でも受けることも可能です(もちろんそのたびに受験料はかかります)。また併願ができるので、日程が被らなければ複数の大学を受験することもできます(というよりほとんどの人がそうしています)。

入試科目が少ない

文系学部(文学部や法学部など)の場合、英国社(社会は1科目)の3科目、理系学部(理学部や工学部など)の場合は英数理(理科は1科目)の3科目がメインです。社会や理科が必要ない2科目受験もあります。共通テストの受験義務がないので、文系の場合は理数と社会の1科目、理系の場合は国社と理科の1科目の受験勉強が必要ありません。科目負担は少ないですが、高得点争いになるので勉強は決して楽ではありません。

共通テストを利用した入試も受けられる

国公立の併願受験者がよく使う方式です。共通テストの点数のみで合否判定が行われるので、共通テストの点数がいい場合は、会場での受験をしなくても合格できる場合があります。「共通テストの点数+英語の個別試験」という併用方式も存在します。

この入試を突破するために行うのが、いわゆる「受験勉強」というものです。5教科まんべんなく勉強することが求められる国公立大学、科目を絞ってスペシャリストとして受験する私立大学というのが特徴と言えるでしょう。

いわゆる「進学校」では、この受験勉強を意識したカリキュラムが組まれます。高校受験の際に進学校を選ぶ人は、ここを重視することになるのです。

いかがでしたでしょうか。ここまで、大学入試について、高校生を対象にしていないにもかかわらず(笑)お話を続けてきました。

次回は大学進学を踏まえた高校選びについてお話ししていきます(というよりこれがメインです(笑))。

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